J1第12節 FC東京-柏(0-1)

U-17代表と同様、サイドを中心に人とボールを動かすムービングフットボールを標榜するFC東京と、フランサこそいないもののコンパクトな守備からのカウンターを得意とする柏との対戦だけあって、非常に流れが速くて現代サッカーらしいボールの運びが見られ、得点こそ最小だったが見ていてなかなか楽しめた。
勝敗こそ、74分に東京GK塩田がCKの判断を誤って中途半端なパンチングをしてしまい、それを大谷にダイレクトに蹴り込まれての得点で柏が勝利したが、内容・質的には非常に拮抗していた展開だった。
FC東京は、梶山が復帰して効果的なパスを左右に配球していたが、雨のせいもあってか羽生を中心にDFラインの裏へ飛び出しはしても、そこから中へのつなぎがなかなか上手く行かず、柏のいち早くスペースを埋める守備の前にボールは支配しても得点の匂いはそれほど感じられず、早さを意識するあまりに不注意なミスからカウンターを食らってしまいがちなのは、やはりユース同様の課題が見え隠れする。
スピードのあるカボレを1トップで使うのであれば、やはりスピードを身上とするエトゥを1トップに置くバルサのように、左右にボールをキープできて局面を打開するメッシやロニーのような存在がいれば、FC東京もガラリと化けるような気がするんだけど、そういう選手がそこらに落ちてれば苦労はしないよね(笑)。中村が横浜じゃなくて東京に移籍すれば面白そうだけど、まあそれは現実的ではないので、大竹の成長に期待というところか。
柏は、フランサの穴を埋めるのにシーズンの序盤はかなり苦しんでいたが、そこはさすがに手堅い石崎監督、ポポとアレックスを中心にきっちりしたカウンターチームを作り上げて5月は全勝。同じカウンターチームである神戸よりも戦力的には安定しているので、これからも柏に苦しむチームが多くなりそうだ。