J1第8節 川崎-柏(3-2)

点数的には僅差の攻防だったが、何より前半いいところなく2失点、後半怒涛の勢いで3得点という川崎の一人相撲の感が強かった試合。
その原因になったのが川崎の先発フォーメーションで、いつものトップ下に誰かを置く3-4-1-2ではなくて、イタリア式に逆三角形の3ボランチにした3-5-2にしていたのだが、もともとはマンマークでしっかり守るための3バックと、3-4-1-2ではどうしてもサイドが1枚になってしまう欠点をカバーするために、本来は3ボランチの両脇が積極的にサイドにからむ戦術なんだけど、谷口も中村も中で右往左往するばかりで、アンカーに入った菊地も効果的な散らしが出来ず、いつものスピードある攻撃が全く作れなかった。
柏は、4-1-4-1でひたすらゾーンをコンパクトにしてショートカウンターを狙うサッカーで、前半は川崎の遅い攻撃にうまくはまって狙いどおりにボールを奪ってからの速い攻撃で2得点をゲットしたのだが、後半に川崎が大橋をトップ下に入れた3-4-1-2に修正して早いパス回しを見せ始めると、柏のボールキープを一手に担っていたフランサが怪我でいないおかげで前線や中盤で全くボールを落ち着かせる事が出来なくなり、一気に流れを川崎に持っていかれてしまった。
川崎は最初から3-4-1-2にしとけよという感じだったが、谷口も中村も攻撃での飛び出しに強みを見せる選手で、菊地のポテンシャルを考えると面白い試みだとは思うが、ちゃんと形になるまで辛抱できるかどうか。柏はフランサがいないのでこの形は仕方ないにせよ、後半は足まで止まってしまったのは痛かったね。雨でボールが滑りやすくなってしまったのも不運だった。
ま、何よりも体調問題で辞任が決まった関塚監督への気持ちが逆転を生んだ試合だったね。早く全快されて、再びサッカーの仕事に復帰されるのをお祈りしております。