ACLグループリーグ グループF 北京国安-鹿島(1-0)

こちらは、勝ったほうがグループリーグ突破を決められる正真正銘の大一番。
序盤は、当然後が無い北京がロングボールをチアゴに集める攻撃で押し捲り、鹿島は前回ほどはチアゴを自由にはさせなかったものの、攻めるのか守るのかの意思統一がバラバラで、セカンドボールを拾われてはサイドに振られる苦しい展開。
しかしそこはJ王者の鹿島、すぐに守る事を優先してDFと中盤の間をコンパクトにまとめ、ロングボールを拾ってからサイドを主体にじっくりと攻め急がないパス回しを見せて北京の勢いを殺し、試合は鹿島ペースになって行きそうに見えたが、ピッチの影響なのかいまいちサイドチェンジや勝負パスがつながらず、鹿島にもそれほど得点の匂いを感じない。
その後も、鹿島はそれほど大きなチャンスを相手に与えず、これはこのままスコアレスで後半かなと思い始めた44分に、ファールの笛で鹿島が一瞬の気の緩みを見せたところに、DFラインの裏へ走りこんだチアゴにボールが渡り、岩政がとっさの判断でオフサイドトラップを仕掛けるも伊野波が相手についていってしまい、クリアも間に合わずに痛い失点。
後半はやや鹿島が攻めに出始めるが、15分を過ぎると勢いがガクンと落ちてしまってDFラインも中盤も押し上げが出来ず、前線に人を集めた北京に何とかラインを揃えて形だけのけん制をするのが精一杯で、チアゴの頭狙いだけの北京をもはや押さえきれず、DFライン前でパスを回されては裏へと決定的なパスやシュートを何本も打たれるが、どれも枠をわずかに外れる命拾い。
最後はさすがに北京も運動量が落ちて、鹿島がカウンターからフリーで相手の裏へ抜ける場面を作ったが、結局判断の迷いやちょっとしたトラップのブレとかで田代や興梠が決められず、そのまま1-0で試合は終了。
この試合の鹿島は田代の1トップだったが、田代一人ではロングボールの出所を押さえきれず、2列目のダニーロは守備が出来ない上に独り善がりのプレイが目立ち、怪我で仕方ない交代だったとは言え、石神や増田の投入は機能せず、オリベイラ采配が冴えなかっただけに、ギリギリ最低限の結果を得られたのはラッキーと言うしかない。
得失点差で大きくリードしているだけに、鹿島は星の取りこぼしさえしなければ勝ちぬけにそれほど問題は無いが、マルキーニョスが抜けて得点力ががた落ちしているだけに、攻めても攻めても点が取れなくてミスから失点というパターンが心配かな。ガンバもチョンブリと全南が引き分けて、次の試合で勝ち点1取れば突破決定だが、そういう気の緩みが一番怖いから、どちらも気を引き締めなおして臨んで欲しいところだね。