欧州CL準々決勝第2レグ リバプール-アーセナル(4-2)

展開がアウェイゴールのおかげで二転三転する非常にスリリングで楽しめた試合だったが、やはり勝負を分けたのは両チームのコンディションの差。
アーセナルは、前半30分までは全盛期を思わせるような運動量とパスワークを見せて、13分にはアデバイヨールの飛び出しを軸にゴール前でワンタッチパスをつないで最後はディアビーがPAへ切れ込んでニアを抜いた先制点を決めたのだが、30分にそこまでパスミスが多くてほとんどチャンスが無かったリバプールに、CKからここしかないというコースと強さでヒーピアにヘッドを決められ、これで流れが一気に変わってしまった。
そこからアーセナルはセスクとアデバイヨールが動けなくなって、しかも今の中盤を支えていたフラミニが怪我で交代し、チームの勢いがガクンと落ちてしまう。後は完全にリバプールのペースになって、69分にはトーレスがクラウチの落としをワントラップで反転して見事なゴールを決め、これで完全に試合は決まったかと思われたのだが、アーセナルもウォルコットが素晴らしいドリブルでリバプール守備陣を抜き去り、アデバイヨールが折り返しを難なく決めてアーセナルがアウェイゴールでリード。
しかしリバプールもわずか2分後にバベルがトゥーレにPA内で倒されPK、最後はこの対戦を象徴するかのように、カウンターから1人守備で残っていたセスクをバベルが振り切り、リバプールが駄目押しの4点目を決めて勝負あり。
リーグ戦でジェラードとトーレスを温存し、バベルを控えにしてクラウチとトーレスの2トップという、あえて相手に合わせて自分達の形を捨てたベニテス采配が見事に当たった形になったが、パスミスが続いていた前半にアーセナルが2点目を入れていたら、逆に岡田監督同様総バッシングになっていた賭けだったように思う。それがこんなにうまく行ってしまうのは、やはり監督や選手がここまで積み重ねてきた押収での経験、そしてアンフィールドのサポーターの存在なんだろうね。
アーセナルはコンディションを考えれば本当に良く粘ったと思うが、センデロスがヒーピアをフリーにしてしまった事と、トゥーレのやらずもがなのPK献上は、CLで優勝を目指すチームとしてはあまりに軽率なプレイと言え、選手の経験不足が疲労やコンディション不良によってより浮き彫りにされてしまったように思う。
リバプールは次もまたプレミア勢のチェルシーが相手。勝負強さや調子から言えばリバプール有利だが、はてさていったいどういう結果になるか。