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ACLグループリーグ グループF 鹿島-北京国安(1-0)

事実上のグループリーグ決勝戦と言える、勝ち点6同士の直接対決。
試合は当然ながらホームの鹿島がボールを保持するも、北京はコンパクトかつ組織的な4バックとボールへの反応の速さで鹿島がボールを回そうとしてもことごとくパスに選手が追いついてしまい、CBの大岩と岩政が北京チアゴのポストプレイを止められず、鹿島はカウンターを恐れてなかなか縦にボールを打ち込むことが出来ずに試合のリズムが作れない。
ところが33分に北京SB周挺が2枚目のイエローで退場し、ようやく鹿島はDFラインで余裕を持ったパス回しが出来るようになるが、それでも鹿島攻撃陣が北京のラインディフェンスにけん制され、なかなかスペースを作り出して選手が入り込むような形が作れず、前半はノーゴールで終了してしまう。
しかし、こういう試合になっても慌てないのが今の鹿島の強さで、後半8分に相手が攻めに出てきたところでボールを奪ってカウンター、左サイドでボールを受けたマルキーニョスがドリブルで溜めて中に入り込んできたダニーロにパス、ダニーロはワントラップでDFを抜き去り、ゴール右角にうまく流し込んで鹿島が先制する。
これで相手が出てきて鹿島にはもっとチャンスが出来るかと思われたが、ボールを奪ってからシンプルに早くパスを回す北京の攻撃に振り回され、FWが裏に抜けたところを岩政が服をつかみに行こうとしてからんでしまい、微妙な判定だが北京にPKが与えられてしまう。が、曽ヶ端がチアゴのPKを見事に読んで弾き返し、鹿島はなんとか九死に一生を得る。
その後もきちんと守ってパスを速く回す北京に比べ、鹿島は無理に大きな展開をしようとしてミスが頻発、鹿島が攻め込んではいるものの曽ヶ端が足で何とかシュートを弾く場面もあり、最後は2点目をあきらめて攻め上がりを押さえ、時間稼ぎをしつつ試合終了。
いや、とにかく内容からするとよく鹿島は試合に勝てたなという感じ。北京は身体能力の高さに加えてボールに対する反応の速さ、そして最後までばてない運動量もあり、これで組織的な守備が出来るのだから日本のチームが苦戦するのも当然である。
鹿島は、相手の弱いところを選手個人が抜け目無く見出して連動した攻撃をするのが強みではあるのだが、こういったカッチリと守る相手だとなかなかスペースが見つけ出せず、選手が動きに迷ってポジショニングがかぶってしまう場面が目に付いたのは気になった。また、やはりフィジカル面で国際的な試合では弱さが見えてしまうのも事実で、アウェイでの北京戦は非常に予断を許さない状況である。2戦目では相手が2点を狙って攻めに出てくるところでうまく先制点を取って、まずは自分たちのペースに持ち込みたいところだ。

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