ACLグループリーグ グループF クルン・タイ・バンク-鹿島(1-9)

ガンバとは対照的に、アウェイで記録的な大勝を収めた鹿島だが、それだけ鹿島がガンバより強かったというよりは、試合展開の全てが鹿島に味方したような感じだった。
クルン・タイ・バンクはタイのリーグで2位だったとは言え、首位だったチョンブリとは明らかに守備のレベルに差があり、特にGKの反応やポジショニングは雲泥の差があった。もっとも攻撃に関してはチョンブリに引けを取らない個人技とスピードがあり、試合の序盤は鹿島もクルン・タイ・バンクの攻撃をファールで止めざるを得ない展開が続いた。もしここでセットプレイから先制を許していたら、鹿島もガンバ同様苦しい試合展開を余儀なくされてしまっただろう。
しかし15分にセットプレイの跳ね返りからクルン・タイ・バンクがオフサイドトラップをかけそこない、田代がどフリー状態になって軽々ゴールに押し込んだ先制点と、6分後にCKから岩政が頭で決めた2点目で、もともと守備が弱いチームが攻めに出て来ざるを得なくなり、一気に鹿島は楽な展開に持ち込めたのが大きかった。そして後はご存知の大虐殺。
とは言え、やはりどこが相手であっても難しいとされるグループリーグの初戦に、ターンオーバーとホームで大勝の色気を出してしまったガンバに比べて、ベストメンバーの自然体で臨んだ鹿島は攻撃の流れがスムーズで、クサビのボールへの守備の当たりにも終始厳しさがあり、暑さのせいか多少守備に穴を空けてしまう場面が見られたにせよ、監督の経験の差(選手の経験はガンバのほうが上だしね)がこの対照的な結果をもたらした一部分であった事は確かだろう。
次は北京相手にホームの初戦を1-3で落としたベトナムのナム・ディンが相手。オリヴェイラ監督には釈迦に説法だろうが(笑)決して相手を舐める事無く、きっちり勝ち点3をゲットしてもらいたいところだ。