欧州CLベスト16第2レグ ミラン-アーセナル(0-2)

第1レグの内容からすると順当っちゃ順当なんだけど、好調時のミランの姿を知っているだけに、いささか寂しい気持ちになってしまったね。
試合の序盤は、第1レグとはうって変わってホームのミランが前に出る守備で試合を優勢に運び、サイドのスペースに早くボールを運ぶ攻撃でアーセナルを後ろに下げ、前半20分までにPA内で2つのシュートを放つものの、ピッポのボレーはうまくヒットせず、パトはシュートミスでGKにパスする結果になってしまう。この好機を逸した事がミランの致命傷になってしまった。もしパトの位置にロナウドがいたら確実に決めてただろうになあ・・・
そこからは何故かミランのペースがガタッと落ちてしまい、攻守の切り替えでアーセナルがミランを圧倒し、1対1の場面でもミランはアデバイヨールやエブエらのキープをなかなか奪えず、ボールを奪っても高いラインでミラン陣内に選手を集めたアーセナルにパスを拾われ、ミランは完全にゴール前で釘付け。しかし、セスクのシュートがバーに当たるなどの幸運が続き、ミランは何とか前半を無失点で折り返す。
後半からはさすがにアーセナルも運動量が落ち始め、ミランが力を振り絞って攻撃を仕掛けるものの、頼みのセットプレイは不発に終わり、とうとう84分にセスクがガットゥーゾを難なくドリブルで振り切ってミドルを放ち、これがゴール左隅に決まってアーセナルが先制。
当然ミランはパワープレイに切り替えたが、最後はウォルコットがスピードでミランDFを振り切り、折り返しをアデバイヨールがごっつあんでジエンド。これでディフェンディングチャンピオンのミランがベスト16で姿を消す結果となった。
ミランの敗因は、直接的にはミランの攻守の要となるセードルフが怪我で、これまた怪我明けのピッポを起用せざるを得ず、パトもピッポもボールをしっかりキープして起点になるというよりは、とにかく裏への飛び出しを狙うタイプなので役割がかぶってしまい、途中からアーセナルに完全に封じ込まれてしまった事だが、それ以外にもカカーはキック精度も判断も悪くて終始イライラ、ガットゥーゾはいつもの躍動感が見られずと、全体的に選手のコンディションが落ちきっていた印象。選手の年齢的な面もあるんだろうけど、CWCに出たりしたツケが出てきているのかもしれない。これから果たして気持ちを切り替えて、CL圏内確保に向けてリーグに集中できるのかどうか。
アーセナルは、直前のリーグ戦からすると危ない可能性もささやかれていたが、やはりここ一番では選手の気合が違った。サッカーの内容だけで言えば間違いなくビッグイヤーに最もふさわしいチームなのだろうが、今やアーセナルの完全な心臓であるセスク、フラミニ、アデバイヨールがもし欠けた時に持ちこたえる事ができるのか。前線の決定力にもムラがあるほうだけに、リーグ戦との狭間で精神的・肉体的なコンディションの舵取りが難しくなってきそうだ。