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Jリーグ・ユース選手権サハラカップ FC東京-柏(2-1)

2-1という僅差の結果以上に、内容的に大きな差を感じた試合だった。とは言え個々のタレントという面で両チームに大きな差があったわけじゃなくて、とにかく一言で言えば判断の質の差。
柏の選手は、ボールは足元にきちっと止めるんだけど、そこから次のプレイを判断してしまうので、どうしても足を止めた状態でワンタッチ、ツータッチしてしまい、FC東京の選手に詰められて仕方なく横パスやバックパスという形が多くなってしまっていた。
しかし、FC東京の選手はトラップの方向が常に次のプレイにつながるように向けられているので、相手に詰められる前にフリーな状態でパスを出す事が出来ていた。
代表でのアジアカップもそうだったのだが、相手が守備陣形を整えているところにいくらパスでボールを回してクロスを上げてみても、それが点につながるチャンスになる事はほとんど無い。ミランと浦和の試合を見ても、一つ次のプレイに迷ったトラップをしてしまうと、あっという間にプレスをかけられて後ろ向きにされるかボールを奪われてしまう。
時間にして0.5秒、スペースにして1mほどの違いでしか無いが、そのわずかな積み重ねがチーム力の大きな差になってしまうのが現代サッカーなのだ。
ユース世代の育成については、小野や中村世代のようにまずボールを止めて蹴る技術を高め、パスだけでは点が取れないことに気付いて野洲高校のようなドリブラーの育成に注目が集まってきたが、ようやくパスやドリブルだけじゃなくて判断や個人戦術という部分を伸ばす事を手がけるクラブが出てきたのは感慨深い。
この試合を各クラブの担当者が見て、選手育成の参考にしてもらう事を痛切に希望する。本当は野洲旋風のようにマスコミがこぞって取り上げるようになってくれればいいんだけど、まあ無理だろうな(笑)。

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