FIFAクラブW杯準々決勝 浦和-セパハン(3-1)

ミランへの挑戦権をかけたACL決勝の再戦。浦和はネネ・闘莉王・坪井のDFに阿部と鈴木のボランチ、サイドが相馬と細貝、トップ下に長谷部、2トップがワシントンと永井の3-5-2。セパハンは攻撃の核であるナビドキアとカリミの両方を欠いた苦しい布陣。
最近は疲労からダメダメな試合が続いていた浦和だが、この日は浦和にしてはDFラインの押上げが積極的で、中盤のチェックが機能してセパハンの起点を潰し、高い位置取りをしていた相馬やワシントンにつなげて早い攻撃でセパハンのゴールを脅かすものの、そういう時に限ってワシントンや長谷部が決定的な場面で決められず、逆にカウンターから危ないシーンを作ってしまうなど嫌な空気が流れ始める。
そんなムードを変えたのは32分。サイドでボールをキープした相馬が縦に仕掛けてグラウンダーのクロスを流し込み、これに反応した永井がDFの前に入り込んできっちり足で合わせ、浦和が待望の先取点を獲得する。
後半になるとセパハンはエースカリミを投入し、彼の高いキープ力と反転するスピードを活かしてセパハンの攻撃が一気にスピードアップする。が、そういうペースになると得点してしまうのが浦和の不思議なところで、この日MVPものの活躍だった相馬の左サイドでの仕掛けから阿部が中で受けてスルーパス、これをワシントンが絶妙のトラップからGKのタイミングを外すドリブルで角度の無いところからシュートを決め、浦和がエースの得点で一気に勝利を引き寄せる。
しかし、さすがに2点目で浦和も安心してしまったのか、そこからは全体的に引き気味になってしまって前線に人数をかけてくるセパハンの選手をマークしきれず、数的不利の場面を多く作ってしまうが相手の決定力不足とまずい攻撃に助けられて失点までには至らない。
そして70分に、浦和は中盤の高い位置でボールを奪うとまたも左から相馬がクロス、永井のヘディングをセパハンDFアギリーが頭でクリアしようとしたもののボールはゴールに吸い込まれ、これで試合は勝負あり。後は闘莉王が気の抜けた対応でスルーパスを通されてカリミに1点を決められるが、あとは無難に守りきって完勝。セパハンをきっちり返り討ちに仕留めた。
セパハンの飛車角が抜け落ちて、しかもチーム自体がACLでの試合のような活発さが無かったのは浦和にとって幸運だったが、それでも今日の運動量、DFラインの積極性は見事なリカバリーだったと言うしかない。次はいよいよミラン戦だが、正直本気のミラン相手に勝ち目は限りなく0に等しいのは確かだろう。だが、この試合で見せた浦和のスピリットとサポーターの力があれば、日本にJリーグありと世界に知らしめるような、恥ずかしくない試合が出来るはずだと思う。とにかく頑張れ!