J2第45節 東京V-湘南(3-0)

まだ昇格への希望がある湘南にとって絶対に勝っておきたい対戦相手だったが、攻守全ての局面においてヴェルディが湘南を上回り、結局湘南は0-3の完敗。
しかしヴェルディはいつのまにこんないいチームになったんだろう。積極的なラインの押し上げと中盤のフォロー、絶え間ない前線からの追い込みで相手の攻撃を完全に封じ込め、明らかに他のJ2クラブとは違うシュートレンジを誇るフッキを中心とした前線の個人能力はSBの攻撃参加を必要とせず、湘南がいざカウンターで数的優位かと思われた場面でも最終ラインにはしっかり4人が壁を作っているので、ヴェルディはボールを取られても危険な状況に陥る事が非常に少ない。いや、これは強いはずだ。
3-0となってから時間が36分も残っていたので、安心したのかヴェルディもペースが落ちてその後は湘南が何度も決定的なチャンスを作りはしたが、ヴェルディGK高木のファインセーブやシュートミスでことごとく点にならず。セットプレイからきっちり2点をものにしたヴェルディとは対照的な歯がゆさだった。
やはり、最終ラインに4人がきっちり残っていると、FWが少ないスペースでワンタッチでシュート体勢に持っていける能力がないとカウンターになってもシュートにはつながらず、その点でアジエル頼みの湘南はヴェルディと格段の差があったと言える。
今年はもう昇格が厳しくなったとは言え、今期の湘南はJ2トップクラスの守備力を身につけたのは確かで、来期の昇格に向けて個人能力やプレイの精度、コンビネーションといった部分をどう向上させるかが課題になって来るだろう。