三大陸トーナメント スイス-日本(3-4)

うざったいネットやマスコミの金切り声が収まると言う意味では、勝って本当に良かったなと(笑)。
が、こういう試合での結果はサイコロの目のようなものだし、私もオシムほどじゃないがツンデレをモットーとしているので(笑)、やはりここは内容をしっかり見ておく必要がある。
その点で、やはり注目しなければならないのは前半と後半の日本の出来だろう。
スイスの前半は、非常にコンパクトで激しいプレスから縦方向のパス交換から抜け出す連携が素晴らしく、中盤の全員がかつての旅人君並のキープ力を持っているためにクサビのボールも止められず、日本はマニャンの突破を防ぎきれずにたちどころに2点を失ってしまった。
攻撃でも、オーストリア戦での課題だった前線へのクサビは皆無で、中村や遠藤が引いてサイドへの裏狙いのパスを出すだけで、一度松井がDFの裏を取ってシュートまでは持ち込んだものの、これで世界と対等に戦える国だと主張するには厳しすぎる内容だった。
後半はいきなりスイスの足が止まり、中盤やサイドのスペースを使って松井や中村、遠藤らが高い位置で働けるようになり、3失点にからんだベーラミの大活躍のおかげもあって日本は逆転に成功したが、3点目につながった矢野のプレイを始めとして、セットプレイでマークを外してしまって危ない場面を何度も作っていたのは、アジアカップの教訓が生かされたとは言い難い状況だった。
オーストリア戦に比べて、松井と稲本がフィットして来た事や、サイドをシンプルに使って早く中へとボールを運べた事、それと3人目の動きの向上によってクロスから得点の可能性が出てきた事は良かったが、毎回この試合のような運が来るとは限らないだけに、あの前半のプレッシャーの中で、相手の攻撃をしっかりしのいでたまにカウンターを繰り出すような試合運びが出来るようにならないと南アフリカでのベスト16は見えてこないだろう。
その意味では、まだまだ鈴木や駒野、加地といった国内組の選手らは、走ることに関してはいいけれども判断やキープ力が伴わず、海外組については持てる力は出せたとは思うが、前半のスイスのプレスの中でもきっちりボールを収められる強さが欲しいところだ。
さて、次はU-22のカタール戦。反町ジャパンのメンバーはこの試合を見て奮起してくれるのだろうか・・・