三大陸トーナメント オーストリア-日本(0-0PK4-3)

結果を出したカメルーン戦の布陣と人選ではなくて、批判の多かったアジアカップ式のスタメンにしたオシムは、やっぱり相当な頑固者だなと(笑)。
オシムが狙った意図としては、アジアのどの国に対してもポゼッションで優位に立てたサッカーが、果たして欧州の中堅国相手にどんな内容を見せるかといったところなのだろうが、その意味ではある程度の成果を出せたように思う。
中盤に相手を潰せる稲本が入った事で、くさびのボールから早い展開を見せたいオーストリアにペースを握らせず、闘莉王・中澤・鈴木の守備ブロックは堅牢で、オーストリアにほとんどチャンスらしいチャンスを与えなかった。運動量も時差がありながら全体的に日本がオーストリアを上回り、特に後半はポゼッションで優位に立つ事が出来た。
しかし、攻撃ではアジアカップ同様の課題が見えたのも確かで、ピッチコンディションもあるのかサイドチェンジからSB陣がすぐに縦へと抜くことが出来ず、サイドで2対1の状況を作らざるを得なかったために中に飛び込む枚数が少なく、守備の戻りが早いオーストリアの前にクロスから得点につながるようなチャンスを作れなかった。
また、矢野と田中の2トップがオーストリアのDFに厳しくマークされてポストプレイがほとんど出来ず、クサビ>サイドに展開>早いタイミングでのクロスという攻撃パターンを作る事が出来なかった。やはり速攻という武器を持てなければ、日本のFWの能力ではきっちりと組織化された守備を崩すのは難しい。
次はオーストリアよりはるかに強いスイスが相手だが、おそらくこのまま同じサッカーで行くと思う。日本もコンディションが上がってくるだろうから、相対的にオーストリア戦と似たような内容になりそうな気がする。ってそれはそれで、アジアカップのオーストラリア戦やサウジ戦同様結構凄い事なんだけどね(笑)。
ま、また2chあたりを中心にオシム批判が吹き荒れるのだろうが、この爺さんがこれから3年という時間のスパンを考えて、日本人には想像が出来ないほど長いスパンでチーム作りを考えているフシがあるので、あまり一喜一憂せずに試合を見ていたほうがいいように思う(笑)。