J1第17節 鹿島-名古屋(2-1)

それにしても名古屋は勝ち運が無い。
この試合でも、名古屋は選手がワイドにポジションを取るオランダスタイルサッカーで7割方の時間で試合を支配し、前半だけで9本のシュートを放っていながら得点は後半26分の1点のみと、ここのところの不調を証明するような効率の悪さを露呈してしまった。
とは言え、選手間の距離が広くなりがちなオランダサッカーにこういう問題はつきもので、クロスを上げても中の人数がせいぜい2人程度という状況では、よほどクロスがピンポイントで合うかこぼれ玉を拾ってのミドルが決まるかしないと点になかなかつながって来ないのだ。それでも、何度か決定的な場面を作ったのだが、ヨンセンや藤田の至近距離からのヘッドを曽ヶ端のスーパーセーブに阻まれたように、運にも見放される始末。
ボールを支配してシュートを打っても点が入らないと、やっぱり守備の集中力は切れてしまいがちになるのも避けられない話で、鹿島の1点目は増田の動き出しを誉めるしかないにしても、2点目は完全に皆がボールウォッチャーになって足が止まってしまっていた。こういう場面を作ってしまうようでは、名古屋の失点が減るはずも無い。
鹿島は、ここのところの失点の少なさを証明するようなしぶとい守備で、それも青木・増田・本山といった「線が細くて攻撃的な選手」が懸命にDFのカバーに奔走するような、日本的な常識を覆すチーム作りをしていたのには驚いた。この辺の手腕は、さすがコリンチャンスを率いて世界クラブ選手権を勝ち取った監督だけの事はある。
鹿島からは現在A代表には選ばれていないが、彼らがこういった役割を地味にこなして成績もついて来れば、アジアカップ後に呼ばれる可能性が出てくるはずだ。