J1第14節 甲府-磐田(1-6)

ともに中位に位置する両チームだけに、中断明けの試合で波に乗りたかったところだろうが、思いがけない大差の結果になってしまった。
その決定的な要因になったのが甲府GK阿部が開始わずか6分で磐田の前田と交錯して負傷退場してしまった事で、交代で入った鶴田はDFのコンビネーションや準備の問題があったにせよ、ポジショニングも反応も悪く、正直プレイがJリーグのレベルでは無かった。相手の川口が、代表効果か終始素晴らしいセービングを見せていただけに、ことさらその差が悲しかった。
そしてもう一つは、磐田の甲府対策が実にうまく行った事が挙げられる。序盤こそ甲府の細かく早いパス回しに後手を踏みはしたものの、その後はDFと中盤でコンパクトな守備ゾーンを作り、甲府の攻撃をそこに誘い込んで足元へのパスを狙ってカット、そこからサイドに大きな展開をしてからSBやボランチが攻撃参加し、サイドからのクロスを確実に得点につなげて行った。
磐田は今まで試合運びに大きな波があったが、甲府の攻撃の狙いが単調だった事もあって終始守備の集中力を切らさず、持ち前の高い技術をサイドチェンジやクロスに活かして効率良く得点した。この日2得点したエース前田の復活も大きいところだろう。
甲府はこれでナビスコを含めると4連敗となってしまった。しかもここ8試合は2点未満の得点しか挙げられず、得点力不足は深刻である。この日の磐田のように細かいパス回しの対策をされると、大きな展開による攻撃が不得意なだけに手詰まり感は否めない。茂原の復帰で何とか勢いを取り戻したいところか。