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キリンカップ 日本-コロンビア(0-0)

結果だけを見れば最高に地味な試合だったが、内容としてはオシム体制以降最高に面白い試合だった。それは、オシム監督のコメントにいつもの諧謔や皮肉が少ないことでも明らかだ(笑)。その意味で、本気で来てくれたコロンビアに感謝したい。
前半は、個々の技術とキープ力に勝るコロンビアがボールを支配して、日本は4-5-1という形で中盤を厚くした甲斐も無くプレイが後手に回ってしまい、中村のキープミスから決定的なピンチを迎えるなどまるで良いところが無かったが、前半の終わりごろから相手のペースが落ち、日本も徐々にマークのずれが修正されてプレスが効くようになり、後半は惜しいチャンスを何度か作ったものの決めきれずにドローで終わったという流れだった。
トルシエ時代のアジアカップで圧倒的な強さを見せたにもかからわずサンドニでフランス相手に虐殺されたように、サッカーというスポーツでは強さのステージが変わるとそれまで築き上げた組織が全く通用しなくなるのが現実で、フランスのような2段階上の相手では無かったにせよ、コロンビアはモンテネグロに比べると明らかに1段階上の相手だったために、前半はいきなり個人能力の差を晒される内容になってしまった。
後半になって、選手交代の効果と遠藤や中村憲といった国内組のキーマンが徐々に相手に慣れてきた事もあって、その後の運動量で勝った日本が優勢に試合を進めたが、特に判断の遅れやミスでピンチを迎えたりチャンスをフイにした前半の内容をしっかり反省してアジアカップにつなげる必要があるだろう。
この試合ではオシムジャパンが目指すような攻撃は見せられなかったが、試合中の国内組の順応度合いを見れば、このレベル以上の相手との試合をもっと積み重ねれば日本はさらに強くなっていくはずだ。ただし、稲本はもうちょっと頑張らないとフランクフルトの力になれないぞ(笑)。

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