北京五輪アジア二次予選 シリア-日本(0-2)

うん、勝った事は良かった。が、それだけ。アジアじゃなくて世界というレベルで戦う事を考えれば、戦評の代わりに塩の写真でも飾っておきたくなるくらい「しょっぱい」試合だった。
まず、相変わらずDFの押し上げが悪いので、せっかく中盤でボールを奪ってもパスコースが出来ず、ボールの出しどころに困って足を止めて横パスをしてしまうか、無理なスルー&ワンタッチパスをしてみすみすボールを失ってしまい、たまにサイドに展開できてクロスを上げても中が足らない。平山がサイドで起点を作らざるを得ないようでは、ただでさえクロスの精度が絶望的に低いのに得点になるはずも無い。
それでも前半は全体的に動き出しとしてはマシで、本田や水野らのプレイが活きていたのだが、後半になってサイドの縦をシリアに封じられると打つ手が無くなってしまい、中でボールを持ってからのコンビネーションやアイデアと言ったものが全く感じられない攻撃に終始してしまった。
また、攻守の局面においても、梶山を筆頭として相変わらず足先だけでどうにかしようとするプレイが多すぎる。深い足元へのタックルや体を使ったボールキープが出来なければ、アジアでは通用しても世界のテクニックやフィジカルの前ではやすやすと中盤を突破されてしまうだろう。
それにしても、A代表よりもメンバーが固定されていて、なおかつ強化に時間を費やしているはずなのに、一向に内容が向上しないのはいったいどういう事なのだろうか。あのジーコジャパンでさえ、時間をかければそれなりにコンビネーションが出来ていたのだが。選手の問題なのか監督の問題なのか、それとも両方なのか・・・
まあこのチームは前回のアテネに比べるとDFは安定感があるし、水野や家長のようにドリブルで勝負できる人材もいるのだから、選手選考や鍛え方次第では何とかなる余地はあると思っている。せっかく二次予選突破を決めて残り2試合をテストに使える余裕が生まれたのだから、きっちりと世界を視野に入れた戦いを見せて欲しいところだ。