J1第6節 柏-浦和(0-2)

J1注目の首位対決。浦和は上海戦と同様のベストメンバーだが、柏は李・菅沼をU-22招集で、鈴木達也を怪我で欠く苦しい布陣。
試合は序盤から互いに激しいプレスの掛け合いで、柏は浦和の前線に激しくアタックして起点を作らせず、浦和も上海戦から見違えるようなDFの押し上げを見せてフランサに集まるボールを厳しくマーク、なかなかボールがゴールまで運ばれない。
しかし浦和が個々のキープ力で勝って徐々に流れは浦和に傾き、柏の前線からのプレスが甘くなったところで浦和の柏DFライン裏への攻めが効果を見せ始め、26分に闘莉王からのフィードを右サイドに抜けた永井が受け、マークを振り切って上げたクロスをDFの前に入り込んだワシントンがヘッドで決めて浦和が先制する。
ここで柏は中盤を厚くしてFWへのマークをはっきりするために3バックにしたが、これが逆に選手の間で混乱を招いてしまい、浦和がやりたい放題の状態に。そして38分に中盤でフリーでドリブルする長谷部が前線にパス、永井がDFと交錯して抜けたボールに小野が追いつき、GKの脇を抜けるシュートを決めて2点差に。
柏は後半開始からドゥンビア、すぐに谷澤と早くも3人の交代枠を使い切って勝負に出る。この交代により、柏は今までの縦に速いローマ式ではなくてワイドに展開するサッカーに変貌し、浦和は混乱して柏に押されまくる。が、フランサの決定的なシュートは都築に弾かれて得点にはつながらず。
その後は浦和は落ち着きを取り戻すものの、ACLの疲れか中盤でプレスがかからなくなり、後半20分頃からは柏に怒涛の反撃を受けるが、壁を作って紙一重のところで防ぎきり、浦和が首位をゲットする勝ち点3を挙げた。
CLのマンU対ローマを見ても、ローマ式サッカーは相手の攻撃が止められないと一気に崩れてしまう危険性があり、個人のキープ力で上回る相手に対し、前線からのプレスと飛び出しを担う2列目をそっくり入れ替えざるを得なかったのはあまりに柏にとって酷だったと言える。だが、後半に谷澤が入ってからのファンタジックな攻撃も十分可能性を感じるもので、2つのタイプを使い分けられるようになれば、もっと強くなってきそうだ。
浦和は後半こそ息切れしたものの、前半の高いラインを保ったサッカーは非常に力強いもので、この形が維持できれば今後一気に突っ走る可能性は十分ありうるところだ。ACLも楽しみである。