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北京五輪アジア二次予選 日本-香港(3-0)

まだアジアの二次予選、そして相手が相手だけに、アメリカ戦の後を受けて結果よりも内容が求められる試合であったが、残念ながら問題が解決されたとは言えない試合であった。
やはりこの試合でも最終ラインの位置はかなり低く、中盤が間延びしていたのでセカンドボールがあまり拾えず、香港が引きこもって低い位置でしかボールを奪えなかったにもかからわず、簡単に中盤を越えるところまでボールを運ばれてしまっていた。
特に前半16分の、相手がカウンターになった場面で日本のDF3人が誰もマークについておらず、DFラインの前に香港の選手が綺麗に3人フリーで並んでいた場面など、もしオシムがこのチームの監督だったら間違いなく激怒していたところだろう。
攻撃でも、香港が積極的にラインをコントロールしていた序盤こそ、3トップがオフサイドトラップをかいくぐってチャンスを作っていたが、香港がべた引きになってからは、日本がボールを奪っても香港DFライン4人と3トップが並んで走っているだけで、誰かが引いてDFラインにギャップを作ってそのスペースを使うといったような工夫がほとんど見られなかった。
また、日本の布陣が間延びしていたのでDFからのビルドアップが直接FWに入らず、サイドを経由する形に偏ってしまったために香港に簡単に前を塞がれ、そこをDFがオーバーラップしたりサイドチェンジをするわけでもなく、単にボールをこねてバックパスといった形が多くなってしまった。
後半になって香港の運動量が落ち、それにつれてラインも押し上げが可能になり、増田と家長がバイタルエリアを活用し始めた事で多くのチャンスを作ったが、たとえフォーメーションが3-4-3であってもこういった関係や発想は必要であったはずだ。
とは言え、悪い点ばかりだったわけではない。相手のプレスが弱かったせいもあるが、DFラインのパス回し、ビルドアップは多少マシになってはいたし、伊野波からのロングフィードは終始正確だった。それだけに、外見はオシムサッカーに似てはいるものの、肝心なエッセンスがすっからかんな今の状況が残念でならない。
不満を並べるのもいいけれど、それをどうやって試合の中で具現化していくのかが監督の仕事なはずだ。トルシエもどきサッカーで失敗した4年前と、同じ轍だけは踏んで欲しくないところである。

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