U-21親善試合 中国-日本(0-2)

A3やユースでベストメンバーが集められない状態での反町体制の初戦、しかも相手がこの世代では世界と互角に戦う力を持つ中国でのアウェイ戦とあって、かなり厳しい内容と結果が予想された試合であったが、意外にも見事なスタートを飾る事が出来た。
とは言え、それは中国の決定力不足とラインコントロールのお粗末さに助けられた面が多く、内容としては後半途中までは中国に押されっぱなしの展開で、日本の狙いであった3-6-1で中盤を厚くして苔口、梶山、増田の飛び出しで裏を取るといった形はほとんど見られず、相手のスピードや高さ、1対1でのボールキープ力やマーキングの強さという選手個々の能力で差を見せ付けられてしまった印象は否めない。
それでも、どこぞの代表のようにべた引きでスペースを埋めるだけの守備にならず、常に相手の前でボールを取る意識を保ち、中盤でもフィジカルコンタクトを厭わずにマークを粘り、1対1にさらされた味方に対するカバーリングの意識を持ち続けた事が、この結果を生み出した要因になった事は間違い無い。まあ、せっかくサイドに追い詰めたのに中村北斗や伊野波がスコーンと抜かれて大ピンチになったのはいただけなかったし、前線のプレスに行くタイミングのずれやパスの判断、攻守の切り替えもまだまだ足りない部分は多かったが、それは今後の課題と言うところか。
何にしてもこの勝利によって、自分たちの目指すサッカースタイルに対する選手と監督の自信が深まった事は確かで、ベクトルを共有するA代表にとっても幸先の良いスタートになったと言える。是非とも興行試合ではなく、こういったアウェイでの厳しい試合を積み重ねて経験を高めて行って欲しいところだ。