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ツールドフランス第17ステージ

いやいや*3、昨日はランディスが捨て身の逃げに出れば面白くなるとは書いたのだが、捨て身どころかいきなり優勝争いに返り咲くとはさすがに想像だにしなかった。
しかも、逃げたシチュエーションはこの日5つある峠の最初の登りで、しかもアシストは最初の引きで全員を使いきってしまい、ランディスが完全に単独で逃げるという、捨て身どころか無謀とも言える手段に出たのだったが、みるみるうちに先行集団を捉えて引っ張り始め、最大で9分もの差を付ける展開になってしまった。
最後の登りの手前で、慌ててCSCとTモバイルが集団を引き始め、何とか6分差で登りの入口まで来たのだが、肝心のクレーデンがアシストを失ったペレイロにさえ遅れをとるパフォーマンスしか見せられず、業を煮やしたサストレが単独でランディスを追い、頂上で5分の差まで詰めはしたものの、峠からの下りで40秒を失ってしまい、総合ではランディスに18秒差まで迫られるはめになってしまった。マイヨジョーヌはなんとかペレイロが守ったのだが、こちらもランディスとは30秒差と、TTでの力量差を考えればかなり見通しは厳しい状況である。
しかしTモバイルの情けなさはどうした事だろう。最初にフォナックが集団をバラバラにしてランディスを発射させた時に追っていれば、そのままペレイロを引き離しつつランディスを利用してクレーデンの立場を磐石にする事が出来たのに、ランディスを甘く見ていたのかクレーデンの調子が悪すぎたのか、完全に引いてしまって様子見を決め込んだ事が見事に裏目に出てしまった。クレーデンは結局ランディスからも2分遅れになってしまい、これで優勝争いからは完全に脱落である。
それにしてもランディスは男前だった。大ブレーキが起こる前は、どう見ても他のチームを合わせた力よりもランディスの個人能力が上回っているように見えたのだが、あまりに慎重になりすぎたのか消極的な戦いを続けていて鼻白むところがあったのだが、この勝利でようやく王者となるにふさわしい姿を見せられたといえる。2日後のTTでの30秒差は、彼の実力を考えれば無いに等しい差ではあるが、この日の激走がどれだけ走りに響いてくるかが唯一の懸念材料というところか。

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