ここまでのツール

前にも書いたように、総合争いが完全に本命不在の状態で始まったツールドフランスですが、序盤のスプリンター向けの平地ステージでも、現在実力ナンバーワンのペタッキが怪我で欠場し、しかも昨年のファッサトレインのような強力なスプリントアシスト体制を取るチームも無く、春のクラシックでは圧倒的な強さを見せたボーネンも本調子ではないのか、ゴール前の乱戦に強いマキュワンやフレイレにみすみす勝ち星を献上するレースとなってしまっています。
総合争いでは、まず選手の実力を測る第一関門となった第7ステージの52km個人タイムトライアルで、ゴンチャールが2位以下に1分以上の差をつける力を見せ付けて勝利しました。ただ、ゴンチャールはあまり山岳は得意ではないので、実質的な総合争いでは、2位にはいったランディスが一歩リード、そこから約1分差のクレーデン、エヴァンス、カルペツ、メンショフ、モロー、サヴォルデッリ、サストレ、ヒンカピーらが2番手を追走という感じでしょうか。ライフェマーはTTで6分遅れの大ブレーキとなって早くも脱落してしまいました。
そして、いよいよ今晩からツール本番の山岳ステージが始まりますが、これまでは音なしだった山岳スペシャリストがTTでの遅れを取り戻す走りを見せられるかどうか。総合争いの選手にとっては、彼らに最後まで食い下がる事が出来るのか。個人的な希望としては、ランディスやクレーデン、サストレといった今まではエースの陰に隠れてアシストとして活躍していた選手が日の目を浴びて欲しいなあと思いますね。
ツールはスカパーが無くても、今年はYahoo!が数日遅れでのハイライトをストリーミングしてくれるので、今までなかなか見る事ができなかった方も、この「世界で最も美しいスポーツ」を楽しんでいただきたいものです。