ドイツW杯 準々決勝 ドイツ-アルゼンチン(1-1PK4-2)

意外な早い時間での得点、怪我で選手交代枠を使ったこと、フィジカルに勝る相手に早めに守備に回る、カウンターから決定的チャンスがあっても決められず、そして最後は追いつかれると、まるで日本対オーストラリアをなぞったかのような試合となった。結局はPK戦までもつれこんだのだが、ドイツは完全なホーム、アルゼンチンのGKは控えとあっては、PK戦に入った時点で勝負は決まっていたと言える。
もちろん、試合のレベルは比較にならないし、アルゼンチンは日本ほどグズグズにならずにはるかに集中力高く守ってはいたのだが、フィジカルに勝る相手に対して引いて守りきるには、やはり相当な運の力が必要になって来るのも確かで、そういう意味ではリケルメを下げて守備的なカンビアッソを入れたり、相手の裏を狙えるサビオラやメッシを使わずに負けた事は、所詮結果論とは言えペケルマン采配に批判が集まるのも仕方ないだろう。
ドイツは戦術うんぬんよりも、久々にゲルマン魂という言葉を思い出させるような、球際での粘りや最後の一歩の出足といったところで、最後までアルゼンチンを上回る執念を見せた事が勝利につながったように思う。ただ、この試合でも得点にからんだバラック以外に展開に変化をつけられる選手がおらず、バラックが足を引きずっていてコンディションに不安を抱えている状態では、イタリア相手にこの勝負強さが発揮できるかどうかは微妙なところか。イタリアがアウェイでは引き癖を見せてしまうのは間違いないだけに、ホームの後押しで得点を積み重ねたいところだ。