J1第12節 磐田-名古屋(2-2)

W杯中断前、しかも代表正GK(と言ってもジーコだから川口で決まりなんだろうけど)争いをする2人の対決という事で注目される試合・・・ではあったのだが、互いに開幕前の期待ほどスタートダッシュが決まらず、チームの勝ち方というものが構築できていない姿を晒しあった痛み分けとなってしまった。
名古屋は本田が高い位置を取ったほとんど3バックのような4バックで、ジュビロは3バックと言う違いはあるが、ともにプレスからボールを奪ってサイドやDFの裏に早くボールを入れる狙いは見えていたのだが、かつてのデポルやキエーボのような組織美や連動性があまり無く、組織と言う面ではややジュビロの完成度が勝っていたにせよ、全体的にはなんとなく中盤でごちゃごちゃやって勝ったほうがサイドに展開してチャンスを作るといった様相であった。
それでも、得点感覚に優れたFWがいればサイドからボールを放り込むだけでもとりあえず結果は出せるのだが、名古屋は玉田の決定力が低いままで古賀をFWにコンバートするような有様で、ジュビロも決して足が速かったりポストがうまいわけでもない前田におんぶに抱っこでは厳しい状況がすぐに好転する見込みは無さそうである。この中断期間中に両クラブがどう動くかが注目だ。
また、個人的には前田VS玉田のドリブラー対決にも注目していたのだが、正直この日は前田に完全に軍配を上げざるを得なかった。玉田はドリブラーと言うには緩急の付け方がうまくなく、トップスピードで飛び出した後のトラップ、そして相手を抜くときのボールスピードのコントロールが雑なために次のプレイで体勢が崩れてしまうことが多く、W杯のメンバー選考という面を考えても正直残念な出来だった。一方の前田は不思議と地味に成長してる(笑)。小野や高原と同様に身体能力的な売りが無いのが気がかりだが、これからどんな選手になって行くのかが楽しみだ。