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欧州CL準々決勝第2レグ ミラン-リヨン(3-1)

第1レグをスコアレスドローで終えて迎えたミランホームでの第2レグ、ミランは冴えが無かったジラルディーノに代えてインザーギを入れ、シェフチェンコとの2トップにして来た。そしてリヨンはフレッジとヴィルトールの2トップに、マルダとゴブがSHとして入る攻撃的な4-4-2。もちろん、ジュニーニョはボランチとしてスタメンに。
試合は第1レグとはうってかわって、リヨンが非常に早いアプローチでカカやピルロ、シェフチェンコといったミランのキーマンを押さえ込み、ボールを奪うとスピードを生かした攻撃で一気にミランゴール前まで攻め込む鋭いサッカーを見せる。しかしミランも前線でのパスワークを押さえ込まれながらもインザーギによるDFラインの裏への飛び出しからチャンスを作るなど、一瞬で試合の流れが変わるような見ていて面白い展開が続く。
試合が動いたのは25分。その少し前にミランGKジダがイージーなミスをしてあわやという場面からリヨンの流れになり、リヨンに惜しいシュートも何本か出たのだが決まらず、逆にフレッジが落としたボールをミランにさらわれ、左に抜けたセードルフからのクロスをインザーギが完璧なヘッドで合わせ、リヨンの流れになった中で一瞬の隙を突いた得点を挙げる。
だがリヨンもジュニーニョという飛び道具ですぐさま対抗。31分に左サイドからの野茂のフォークのように高速で鋭く落ちるFKにミランの選手が魅入られたかのように3人ものリヨンの選手をフリーにしてしまい、折り返しをディアラに押し込まれてしまう。その後は互いに攻めあいながらもスコアは動かず後半に。
後半も試合の基本的なペースは変わらず、リヨンがコンパクトな陣形を維持したままのゾーンの上下でうまくミランのペースを潰し、しかしミランもそんな細かい網の中をすり抜けるパスワークで左サイドを中心にクロスまで持っていくなど、やはり一進一退の状況が続く。後半25分を過ぎると、リヨンもアウェイゴールでの勝ち逃げを意識し始めたのかスペースを埋める守備に比重が移り、ミランの焦りが出た攻撃をひたすら跳ね返すような展開となる。
そしてこのままミランが負けてしまうかと思われた43分に、何気ないパワープレイ気味の浮き球が偶然リヨンDFラインの裏に抜け、ボールを拾ったシェフチェンコのシュートがGKクペの手に当たってポストから跳ね返ったところをインザーギが押し込んで劇的な逆転、ロスタイムにはリヨンDFのバックパスを拾ったシェフチェンコが無人のゴールに流し込んで3点目で勝負あり。
リヨンは残り5分まで勝利を手にしていながら、不運にも地獄に落ちてしまったのだが、試合内容からするとミランと互角以上のものを見せていたのも確かであり、ミランとの経験やタレントの差を考えても大変立派な戦い振りだったと言えよう。ミランはまさしくインザーギ一人に救われた形で、今までミランの攻撃を引っ張ってきたシェフチェンコやカカー、ピルロが研究されたのか精彩を欠く出来だったのは、次の相手が現時点での世界最強クラブと言えるバルサだけに、大きな不安材料だろう。

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