親善試合 日本-ボスニア・ヘルツェゴビナ(2-2)

海外組が集結する数少ない機会ということで注目された試合。小雨の降るヴェストファーレンスタジアムに立ったのはGK川口、DF三都主、宮本、中澤、加地、MF小笠原、中田、福西、中村、FWが高原と久保。ボスニア・ヘルツェゴビナはバルバレスが1トップの位置に入った4-3-3という形。
試合はボスニア・ヘルツェゴビナがカウンター狙いでしっかりと守り、日本がボールをキープする形で始まり、日本がスピードを生かして中田を中心とした長いパスからFWがサイドのスペースでボールを受けて起点を作っていたのだが、やはりボスニア・ヘルツェゴビナのDFの高さにクロスがはじき返され、日本も今までよりはボールホルダーに詰める動きが出来てはいたのだが、ぬかるんだピッチ状態もあるのか1対1の厳しさに欠けてボールをキープされ、PA近くまでボールを運ばれては相手の切返しで選手が置き去りにされるような場面を作ってしまっていた。
それでも前線にあまり怖さの無いボスニア・ヘルツェゴビナ相手とあって何とか危ない場面をしのぎ、中盤のアジリティとパス回しでペースを持ち直して一進一退の展開で推移する。そして試合が動いたのは前半ロスタイム、日本の最初のCKから高原がバルバレスのマークを振り切ってGKと交錯したボールがコロコロとボスニア・ヘルツェゴビナゴールに転がって日本が先制する。
後半になると一気にボスニア・ヘルツェゴビナが攻勢に出て、マークの受け渡しがあいまいな日本の守備の間に選手がどんどん入り込んで細かいパスで崩し始め、クロスから簡単に飛び込んだ選手をフリーにしてしまって失点の臭いがプンプンしはじめる。が、ボスニア・ヘルツェゴビナの得点は意外なことにPKで、中澤がバルバレスに裏を取られて追いかけたところでうまく演技されてしまった。
これで勢いが出たボスニアがハイボールも混ぜて攻めのペースを強め、22分に三都主のイエローからのFKを決められ逆転される。日本はここで小野、稲本、柳沢、大黒と次々に選手を投入するが攻守がバラバラな状態は変えられずに時間はどんどん過ぎて行く。しかし、後半ロスタイムに右サイドからの中村のクロスに上がっていた中田が合わせ、日本は相変わらずの不思議な運で何とか形だけを繕う事が出来た。
日本は同点に追いついたとは言え、1対1での守備の弱さに攻守の切り替えの遅さ、受けに回った時の守備連動の無さ、マークの受け渡しがあいまいなCB、とどめは守備ではいないも同然の三都主と、守備面で弱点だらけであることをしっかりとドイツの地で露呈してしまった。さぞかしヒディンクはにんまりしている事だろう。まあ監督がジーコなので直前の合宿期間の間でどこまで選手の間で修正出来るかが運命の分かれ道となりそうだ。

●採点


  • 川口 5 もったいないファンブル。PKもリーチがあれば・・・

  • 三都主 4.5 ザルと言うにはあまりにザルに失礼なザルっぷり。

  • 宮本 5 やはり4バックではフィジカル不足が露呈。中澤とのコンビも無い。

  • 中澤 5 相変わらず調子悪し。バルバレスに遅れをとって2失点にからむ。

  • 加地 5.5 今日は一貫して守備の人だった。三都主の犠牲者。

  • 小笠原 5.5 動きはいいが雑なボールタッチも相変わらず。

  • 中田 6.5 クサビやスルーパスは不発だったがキープからの展開はさすが。

  • 福西 5.5 ワイパーとしての役割は良かったがパスの判断が遅くて悪い。

  • 中村 6 消えている事が多かったがやはりこの男の一発の精度は必要。

  • 高原 6 機敏な動きで攻撃を牽引。ただもうちょっと力強さがあれば。

  • 久保 5 見せ場は左足のロングシュートだけ。ポストプレイも出来ず。

  • 小野 5 広~い中盤では生きる場面なし。

  • 稲本 5.5 ポジショニングに迷っていた。が、福西に無い良さがあるので最初から見てみたい。

  • 柳沢 6 いつものスペース使いのうまさを見せた。

  • 大黒 5.5 良い形でのパスが出ない状態では生きなかった。

  • ジーコ 4.5 コンフェデは所詮偽真剣勝負。いい加減現実を見よう。

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