オランダ・エールディビジ第19節 ヘラクレス-AZ(0-2)

組織力だけを見ればオランダ一と言える強豪AZ相手ではあるが4試合連続ゴールが期待される平山は当然先発、ウイングにはヌルメラとスライテルを配し、そしてこの試合ではクアンサーが中盤の左に入った布陣となった。
試合はAZの前にヘラクレスは完全にべた引きとなり、6分には波状攻撃からクロスに飛び込んだランザートをクアンサーがマークをあっさり外してしまってAZが先制、その後も平山以外はほぼ全員が自陣に引きこもる内容で、たまに平山がキープしようとする場面があっても粘ることが出来ず、ただひたすら防戦一方の覇気の無い試合運びとなってしまった。
そのリズムを変えたのは、前半終わりごろに見せた平山の胸トラップから足で浮かせたシュートで、ボールは枠を捉えられなかったのだがこのプレイからチームに前に出る勢いが出始め、後半にはカウンターから2点目を決められはしたものの互角の試合運びを見せ、平山の高さから何度か相手ゴールを脅かす場面を作ることが出来た。それだけに、前半の腰が引けた試合運びが非常にもったいなかった。
平山はまだ体の使い方が出来ていなくて足元でのキープについてはほぼAZのDFに完敗してしまったのだが、高さについては最後まで相手を悩まし、クロスからのタイミングが合えば確実に点を決められたであろう場面でも決めることは出来なかった。しかし良く考えてみれば個人レベルでは誰もAZの選手相手に勝てていないヘラクレスの中で、高さであっても勝つ部分を持っている平山がいる効果は大きいはずで、それが平山の作った前半唯一とも言えるチャンスでチームの勢いを変えるきっかけとなったのかもしれず、こちらが想像している以上に平山はチームの核となっているのだろう。
次のローゼンダール戦ではしっかりと勝ち点を取って、是非ともその次のフェイエ相手にどんな形でもいいから結果を残してほしいところだ。