イングランド・プレミアリーグ WBA-エバートン(4-0)

まずこの試合ではMOMになった稲本について書かねばなるまい。
とにかくこの試合の稲本は、前節はおろか今までのプレミアシップでの出来は何だったのかと言いたいぐらいに素晴らしく、ボールに関与した後の動きなおし、次のボールの出所を予測したアタック、そして稲本の良さであるボールを止めて蹴るテクニックともに素晴らしく、MOMになった事も納得の出来であった。
だいたい、日本人選手の悪癖として常にタラタラと走ってはいるけれどもダッシュすることが少なく、まず誰かのアタックから入って、それに連動して次々にアタックを重ねる事で相手のパス回しを分断するプレミアの守り方においては、特にこの姿勢が連動性を失わせてチームに消極性を生んでしまう原因になってしまいがちなのだが、かと言って常に走り回っていては誰でも疲れるわけで、ボランチやSBのペアが交互に動く暗黙の約束がプレミアのピッチにはあって、それにうまく稲本も溶け込んでいたのがこの評価につながったように思う。
WBAのチーム自体も、稲本の出来に呼応するかのように今日は効率的に点が取れ、今まではさっぱり得点できなかったエリントンにPKを含めて2ゴールが生まれた事は、今後の展開にとっても非常に明るい材料が生まれたといえる。順位的にもひとまず降格圏を脱したわけだし、これまでは前節で良かったと思っても次の試合ではダメダメだったりと波が多い出来だった稲本も、W杯に向けてこのままチームとともに順調に実績を伸ばしていって欲しいものである。