キリンチャレンジカップ 日本-アンゴラ(1-0)

主力が大量に欠場してとうていベストメンバーとは言えないアンゴラをホームに迎えた日本は、GK川口、DF中澤、宮本、田中、MF三都主、中田、稲本、駒野、トップ下中村、FWが高原と柳沢と言う3-5-2。
試合は両方とも高い位置からのプレスを仕掛けず(仕掛けられない?)、互いにオープンに攻めあう展開で始まる。が、アンゴラは中盤やDFのマークがあいまいで、日本はイージーに中でボールを持ってからの早めの仕掛けで何度もチャンスを作るのだが、柳沢の至近距離からのシュートはGK正面に、高原のシュートが2度もバーに当たるなど決定力を欠いて得点出来ない。
前半中ごろからは、アンゴラが引いたポジションを取って中田や中村へのマークを強めて縦のサイドを切る守備を始めたために日本は攻めあぐねる状況となってしまい、あまり怖くないミドルシュートが多かったとは言え、パスミスからアンゴラの個人能力で中盤を簡単に突破される場面が目立つようになり、日本から得点の匂いが消えていく。
後半の序盤は日本に物凄くミスが多くなってアンゴラに立て続けにシュートを打たれる嫌な展開。日本はたまに前線がボールを持つ場面があっても相手の足に絡め取られたり、中盤のフォローが遅くてなかなか二次攻撃が仕掛けられない。そして20分に田中に代えて松井を入れて4バックにする。
日本はこれで中盤の距離が狭まり、松井の積極的なスティールもあって高い位置でボールを回せるようになるが、ゴール前をきっちり固めるアンゴラの前に決定的な場面を作るまでには至らず、すぐにまたかったるいペースに戻る。そしてこのままドローかなと思われた44分に、右サイドからのスローインから中村がファーに上げたクロスを柳沢が折り返し、そこにフリーでいた松井が決めてようやく1点をゲット、そしてそのまま試合は終了。
まあ結果として勝ちはしたものの、内容はアンゴラのシュート下手に助けられただけで、日本の課題であった高い位置でボールを奪う守備の連動性は全く見えず、ようやく最後にスローインからの得点とまさにアジアカップでの戦い方そのままで、長い合宿が無いとまるで組織を機能させられないいつものジーコジャパンの姿を見ただけであった。
そんな中で、途中から入って得点を決めた松井の1対1での守備の頑張りは、やはり普段からアフリカ勢を相手にしている経験を見せてくれたという点で嬉しさがあった。こういう、ファールになってもいいから個人が粘って相手のやる気を殺ぐのがアフリカ勢には必要であり、他の選手もこういう姿勢で最初から臨んでいればもう少し違う内容にはなったのだろうが・・・

●採点


  • 川口 6 ナイスセーブはもちろん飛び出しのタイミングも良かった。

  • 中澤 5.5 相手の足の長さに苦しんだ。フィードも精度悪し。

  • 宮本 6 頑張りは見せたが高い位置からの守備はこの日も実現出来なかった。

  • 田中 6 1対1で苦しんだが総体的にはまずまず。

  • 三都主 6 前半はクラックとなっていたが後半は消えた。

  • 稲本 6 決め打ち守備は相変わらずだが、最近ではマシなプレイ振り。

  • 中田 5.5 前半は攻撃のハブとして目立ったが、引かれてからは機能せず。

  • 駒野 5 上下動は激しかったが周りとさっぱりタイミングが合わず。

  • 中村 5.5 守備はやる気なし。セットプレイも今日はダメダメ。

  • 高原 5.5 2度もバーに当てるのは一種の才能か(笑)。ポストも不安定。

  • 柳沢 5.5 こちらも2度の決定的で・・・裏のスペースを消されたが奮闘。

  • 松井 6.5 積極的な守備のアタックが目立った。ゴールはプレイに対するご褒美か。

  • 大黒 6 引き出す動きはいいが、シュートがダメなのはガンバそのまま。

  • 阿部 -