天皇杯4回戦 C大阪-HONDA FC(1-1PK4-1)

いや、とにかくホンダのこの試合にかける集中力とゲームプランの徹底、そして何より120分間前線からのチェイシングを欠かさない運動量が素晴らしく、セレッソを最後まで苦しめた試合だったと言える。
ホンダの狙いは徹底してセレッソのDFの裏や3バックのサイドへ素早くボールを送るというもので、前に出したボールへの中盤の詰める動きも素早くてセカンドボールを拾う狙いも終始徹底しており、後半途中から退場者を出すまでは完全にホンダのペースだった時間帯もあったぐらいである。
セレッソは、ベストメンバーでようやく保たれていたゲームバランスが、サブのメンバーが何人か加わっただけで大きく崩れてしまうチームの層の薄さと言うものが完全に露呈してしまった感じで、黒部は西澤のようにポストプレイが出来ず、苔口はサイドチェンジを受けるポジションにおらずにボールを受けても無駄な突破でチャンスを潰し、布部は相手のポストを素早く潰す働きが不十分だった。挙句の果てにGK伊藤とブルーノ・クアドロスがお見合いしてホンダに追いつかれてしまった。
もともと、あまり優れていないパスでのビルドアップ能力をカバーするために、ポジション取りの約束事を徹底してそこに早いタッチでパスを回して素早く攻めるのがセレッソの生命線なのだが、それが機能したのは先制してから同点に追いつかれるまでのわずかな時間のみで、あとはとことんバランスが崩れたままで10人になったホンダを崩しきる事が出来なかった。
まあ最終的にPK戦で勝ちはしたものの、セレッソは今後のリーグ戦での戦いを考えれば不安点しか出てこない内容だったのは確かで、今後どうやってベストの状態まで上げられるか小林監督にとっても頭が痛いところだろう。ホンダはこの試合については言う事が無い。このような試合がJFLでも出来ればかなり他チームを苦しめそうで、対戦を残している愛媛にとっては戦々恐々だろう。