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UEFAカップ1回戦 ボルトン-ロコモティフ・プロブディフ(2-1)

ボルトンでの中田のデビュー戦。中田は4-3-3の布陣の中でオコチャ、カンポと共に中盤の左としてプレイ。
ボルトンは、初の欧州戦でしかもホームとあって攻撃的に行くのだが、サブのメンバーも多く混じっている今日のメンバーでは、CLでリヨンやブレーメンが見せたプレイの確信と言うものがもう一つ足らずに、滑りやすいピッチに選手の呼吸が合わずになかなか得点のチャンスまで持ち込めない。そして28分に守備の足が止まったところでイワノフに左サイドを破られ、クロスをDFの前に入ったヤンチェフスキにボレーで決められてしまう。
その後もボルトンは攻めの姿勢を見せるのだが、攻撃に移った瞬間にバイタルエリアでフリーになれる位置に移る中田を無視してカンポやオコチャが最前線にボールを放り込むのみで、注意深く守るプロブディフのDFを崩しきるところまでは行かず、サポーターにとってはフラストレーションが溜まった状態のままで前半を終了する。
後半になるとさらにボルトンは前がかりになり、中田もほとんど前線に近い位置でのプレイとなり、12分に左サイドのペデルセンに代えてボルヘッティを入れて4-1-3-2にしたボルトンのペースが続く。さらにボルトンはオコチャに代えてノーラン、ヤンナコブロスに代えてフェルナンデスを投入する。
そして27分に、相手FWイリエフが芝居臭い演技で倒れている間に右サイドからの長いクロスに、ディウフが難しいダイビングヘッドをファーに決めてボルトンが同点に追いついてしまう。それからもボルトンの攻撃的な姿勢は変わらないものの、攻撃の丁寧さは影を潜めてクロス>セカンドボール拾う>またクロスと芸のない攻撃が続く。
中田も結果が欲しいのか前半よりもさらにゴール前に陣取る場面を増やしはしたのだが、それでもボルトンの点につながる事は無く、ロスタイムになってからフェルナンデスの短いクロスを中田がヘッドで流し、ボルヘッティがオフサイド気味ながらも落ち着いてシュートを決めて、ようやくボルトンが逆転に成功した。
ボルトンは勝利したとは言え、ホームで2-1ではアドバンテージになったとは言いがたく、プレミアとの兼ね合いでターンオーバーを考えている割にはチームの完成度が低く、まだまだ楽観視するには程遠い出来だったのは間違い無い。チームの核であるオコチャに精彩が無かったのも気になるところだ。
その中で中田は、稲本のようにプレミアのチームの中でも好守の切り替えに遅れる場面が無かったのはさすがであったが、ボルトンが中田の望む中盤のパスワークで崩すチームには程遠く、今日はアシストを決めたとは言え彼の能力を生かす内容にはなってなかったのは気になるところだ。このまま、チームに中田が合わせるのか、中田のサッカーにチームメイトを合わせるのか、それ次第で中田の将来も大きく変わってきそうである。

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