今日のツールドフランス

明日と明後日に待ち受けるピレネー山脈の頂上ゴールステージを控えてのつかの間の平坦ステージとなっている第13ステージ。当然のように序盤からアタックが発生し、放送開始時点ではフランスのアイドル、ヴォクレールとフレチャなどあなどれないメンバーによる5人の逃げが決まっている状態。集団では今日は是が非でもゴールを取りたいマキュワンのロットチームが先頭を引っ張っている。
そしてここでもまたショックな出来事が起こる。なんと、クールシュベルの登りゴールでランスを交わして勝利を飾り、新人賞争いをリードするのはもちろん、総合でも3分差の5位につけていたバルベルデが胃腸とひざの不調でリタイアしてしまう。チームカーの中で思わず涙するバルベルデ。これでランスにとってはまたも強力な敵が消える事に。
ここで集団ではこのツールで影すら見かけることも無かったランプレ・カッフィータチームが突然先頭を引き始める。ここまでほとんどテレビに映らなかったためにスポンサーの怒りを受けたのもあるのだろうか。これで7分以上あった差がゴールまで70km地点で4分を切るところまで詰める。さらにその後はロットが主導権を握り、40km地点では1分30秒差にまでなって来る。
20kmを切ったところで先頭集団もメイン集団もそろそろアタックの動きが出始める。おかげで先頭集団のペースが上がってロットも引き続けて疲れているだけに、逃げ切りの可能性もチラチラし始める。しかし他のチームもその変化を見逃さず、メイン集団の中でもロットを差し置いて逃げを決めようと激しい動きが出始める。これで一気に先頭との差は15秒程度に。
ここでどこも追わずにディスカバリーが先頭に押し出されたところでシャヴァネルがアタック、先頭集団に追いついてさらに先頭を引く勢い。しかしここで先頭集団」はけん制に入ってしまい、仕方なくシャヴァネルがアタックし、これに付いてこれたのはホーナーのみ。そしてゴールまで残りは10kmに。
6km地点で2人以外の集団はメイン集団に吸収され、ここでようやくスプリントを狙うゲロルシュタイナーやフランセーズ・デジューといったチームがメイン集団を交互に引き始める。しかし思ったよりも勢いが無く、2kmで10秒差と言う本当に微妙なタイム差に。しかし最後は集団が先頭を飲み込んでスプリントはマキュワンが取り、2位がオグレディでポイント賞トップのハスホフトは5位に終わり、これでマイヨヴェールの争いはますます混沌としてきたのは確かだろう。
総合争いでは全く動きの無かったステージだが、総合力から言えばもはやラスムッセンやバッソの大逃げでしかランスを破る可能性は無いだけに、これからの2日間での彼らの一発に期待したいものである。