J2第18節 横浜FC-札幌(1-2)

空梅雨で暑い日産スタジアムでの横浜FCのホームゲーム。スタジアムは1階席のみの解放とは言えなかなか入っている。横浜は城と北村の2トップによる4-4-2で、札幌は相川と中山の2トップによる3-5-2という形。
試合はホームの横浜が高い位置でのプレスからサイドを中心に攻めてペースを握る。が、いきなり6分に札幌がスローインから中に切れ込んで受けた砂川のクロスを中山がヘッドで決めてワンチャンスで先制してしまう。その後も、横浜のペースは変わらずに城のポストから両サイドの小野智吉と佐藤を中心に攻めるのだが、5バックでしっかり守る札幌の前に単調なクロスはことごとく跳ね返され、内田のセットプレイも精度を欠いて得点する事が出来ない。
逆に札幌のほうが、ボールを奪ってからのカウンターに転じたときに後ろからのサポートが早く、横浜のDFが中の選手を捕まえきれてない事もあって惜しい場面を度々作られ、横浜にとっては嫌な展開。それでも横浜はPA内で城がボールをキープするような絶好の場面を作ったりするのだが、後ろからのフォローが遅くて結局苦し紛れのシュートや横パスを奪われる事が多くてもったいない事しきり。そしてスコアはそのまま動かずに前半終了。
後半も横浜が攻勢をかける。前半よりも攻撃のスピードが上がり、5分にCKからの河野のフリーでのヘッドは枠を外れ、内田や城のシュートも林に弾かれてしまう。これで横浜は攻め疲れが出たのか、その後は札幌がボールをキープして横浜陣内に入り込む展開に移る。しかし、札幌も引き気味の相手を攻め崩せるだけのタレントが無いので、試合は膠着状態に入り込む。
25分からは横浜がサイドチェンジを多用しだし、疲労でお互いに足が止まり始めたこともあって再び横浜のペースに。しかしクロスやCKはことごとく不正確で点にならず、逆に31分に横浜CKからのカウンターから一度は横浜GK菅野が外に出て弾いたものの、セカンドボールを拾った上里がファーサイドにシュートを叩き込んで札幌がまんまと2点目をゲット。
ここで横浜は富永と小野信義を入れてパワープレイの勝負に出る。が、やはり横浜の攻撃が機能するには至らず、たまのチャンスも同じようにヘッドを枠外に外すなどで得点につながらず、ようやくロスタイムに池内のオウンゴールで得点はしたもののここまでで、札幌が最近の好調を反映した固い試合運びで勝ち点3をゲットした。
横浜はチームの守備組織としてはかなり出来上がったものにはなっているものの、そこから攻撃をどう分厚くするかという部分においては、攻撃のフォローの動きが徹底されている札幌に比べて未整備だったと言える。フリーキックが得意な点取り屋が入れば大分違うのだろうが、今は城のポストからどうコレクティブな攻撃を作っていくかでブラッシュアップして行くしか無いだろう。
札幌は攻撃はもちろん終始守備の集中力が高く、ボールを奪われても前線がすぐにチェックに行くなど、組織としても個人としてもフォアザチームの意識が徹底されていて見事だった。J1に上がるには前線に強さが欲しいところだが、今後も上位チームを苦しめる存在になるのだけは間違い無さそうだ、