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コンフェデ杯グループB 日本-メキシコ(1-2)

ポプラの綿毛が舞うハノーファーのスタジアムで行われた日本の初戦。日本はGK川口、DF茶野、宮本、田中、MF三都主、中田、福西、加地、トップ下が中村と小笠原、1トップに柳沢という3-6-1。そしてメキシコは3-5-2という形。
試合は序盤はメキシコがボルゲッティを中心とした早いパス回しで圧倒する。日本はボールの奪い所が定まっておらず、べたりと引いた最終ラインのところで何とかボールを取れるかといった状況で、小笠原や中村、果ては柳沢までもが自陣まで守備に回る始末で全く攻撃につなげる事が出来ない。
しかし11分に日本はワンチャンスから先制する。日本は自陣で奪ったボールを受けた小笠原がサイドへ長いボール、これが駆け上がっていた加地に渡り、早いクロスに飛び込んだ柳沢がゴールに流し込むと言うアジアの試合でも見たことが無い(笑)ゴラッソなゴールが決まる。
そこからは日本もまずまずボールを回せるようになり、多少はメキシコゴール前まで攻められるようにはなるのだが、終始ペースはメキシコのままで、自陣に引いた日本の守備は崩せはしないものの、パスは深い位置までしっかりとつなげて来る。そして26分にはFKからフリーでヘッドを打たれるものの、これは川口がスーパーセーブで防ぐ。
その後も日本は何とか持ちこたえてはいたのだが、徐々に疲れからかミスが多くなり、とうとう39分に右サイドからのサイドチェンジを受けたジーニャに見事なミドルを決められてしまう。この場面では中田がボールにアタックに行ったのはいいが福西も小笠原も全くマークしておらず、サイドにいた相手をマークしていた加地が間に合わなかった。そしてそのまま前半は終了する。
後半はメキシコは2人を交代、日本はそのままのメンバーで始まる。日本は相変わらず緩い守備でメキシコにシュートを打たれはするのだが何とか失点にはならず、カウンター攻撃に狙いを絞るのだが前線の枚数が足らずにうまく守られてしまう。日本はここでこの日冴えが無かった中村に代えて稲本を入れ、中田を2列目に上げるのだが試合のペースは変わらず。
そして18分にはとうとう日本が2点目を献上。左サイドで溜めを作られ、そこからのクロスをフォンセカに頭で押し込まれてしまう。フォンセカには三都主と茶野がついてはいたのだが防ぎきれなかった。日本はさらに小笠原に代えて大黒を入れるのだが、メキシコの人数をかけた守りからのうまいパス回しに翻弄されてセカンドボールを奪う事が出来ず、ほとんど決定的なチャンスを作る事が出来ない。さらに日本は37分に玉田を入れて4バックの3トップにする。
ここからはメキシコも守りきる姿勢が強くなって日本が攻める機会も増えてはくるのだが、焦りがあるのかラストパスがどうにも合わず、試合はそのまま終了。日本は決勝トーナメント突破に向けて苦い敗戦を喫してしまった。
点差こそ最小失点ではあったが、もっと失点していてもおかしくない試合だった。やはりメキシコとはチームの完成度と言う点では雲泥の差があり、特に日本の守備、プレスのかけどころ、ボールを奪う狙いといった部分が全く組織的に整備されていないという日本の弱点が改めてさらけ出された試合だったと言える。攻撃面ではダイレクトの意識が強くなって良い面が出てきてはいるが、それも高い位置でボールを奪わなければ結局は前線で人が足らずに終わってしまうわけで、そこを選手間の話し合いだけで果たして修正が出来るのかどうかが来年の結果を占う事になるだろう。

●採点


  • 川口 6 失点はノーチャンス。至近距離のシュートを良く防いだ。

  • 茶野 5 カバーはそれなりに頑張っていたが、やはり中澤の仕事は無理か。

  • 宮本 5.5 よく踏ん張っていた。ラインが低くなるのは仕方ないか。

  • 田中 5.5 こちらもカバーに忙殺。

  • 三都主 4.5 軽い軽い軽い軽い軽い。

  • 中田 6 ミスもあったが唯一フィジカルで対抗できていた。

  • 福西 5.5 世界相手ではもう一つ全てがレベルアップしないと。

  • 加地 6 何か悪いものを食ったかというぐらい思い切りが良かった。

  • 中村 5 コンディション悪し。ひたすら転んでいた。

  • 小笠原 5.5 時折見せる集中力の欠如やプレイの雑さが国内仕様か。

  • 柳沢 6.5 孤立する中で何とか奮闘していた。

  • 稲本 5.5 アクセントをつけようと言う意識は見られたが空回り気味。

  • 大黒 5.5 裏は狙っていたが効果的なパスは出てこなかった。

  • 玉田 5.5 やはりもう少し落ち着いて欲しかった。

  • ジーコ 5 バーレーン戦と同じやり方では通用しないと気付けばいいが。

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