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ワールドユース グループA 日本-ベナン(1-1)

初戦でオランダに敗れた日本は、オーストラリアに引き分けに終わったベナン相手には絶対に勝ちたいところ、先発はGK西川、DF柳楽、増嶋、水本、MF家長、小林、梶山、中村、トップ下が兵藤にカレンと平山の2トップ。対するベナンは4-4-2の布陣。
試合はややベナンペースで推移する。ベナンはオランダほどパス回しが早くなく、身体能力と1対1に強さはあるが、前を向かせなければそれほど怖くは無い事もあって、日本は数的優位を使ってうまくカバーをして対処している。
しかし、攻撃では平山のポストが相手の高さに封じられてあまり機能せず、アフリカ勢らしくない守備意識の高さを見せるベナンの守りの前に梶山からのパスがあまり前線と合わず、カレンは中盤に下がるのみで唯一家長のサイドでの突破ぐらいでしかチャンスを作れない。セットプレイの場面もあるのだがクロスもいまいち中と合わず、日本はなかなかシュートまで持っていくことは出来ない。
そのままじりじりした一進一退の攻防が続いたが、28分にようやく放った平山のシュートあたりから、平山がやや後ろに下がってパスを受けるような形が機能し始め、これはいけるかもと思った34分、兵藤が右サイドで安易にボールを奪われてしまい、アゲシのスピードに乗ったドリブルからマイガにパス、マイガは大きな切り替えしからシュートを放ち、これが日本ゴールに突き刺さった。兵頭はボールを奪われてからもカバーに戻らず二重のミスを犯してしまった。
後半から日本は梶山に代えて水野を投入して攻撃の姿勢を強め、5分にサイドからのクロスに水野がボレーを放つなど、前半ではあまり見られなかった中盤の攻撃参加を見せ始める。しかしベナンのマーキングもなかなか衰えず、日本もフリーではあまりボールを持たせてもらえない。しかも日本が攻撃に出た分ベナンに攻め込まれる場面も多くなる。
しかし、20分に家長が中への鋭いドリブルからファールをゲット、これを水野がゴラッソなFKをゴール左隅に叩き込んで日本がようやく同点に追いつく。そして25分には家長の中盤でのターンを引っ張ってしまったオルーが2枚目のイエローで退場と日本に追い風が吹き始める。ここで日本は30分に森本、38分に苔口を投入する。
これで日本は数的優位を生かして中でのキープからサイドを使う攻撃を多用するのだが、前線に人をかけている割にはどうにも中とピタリと合ってくれない。そして試合は4分間のロスタイムへ突入するが、大きなチャンスを作る事も無く試合は同点のまま終了した。
日本は家長の活躍によってサイドの攻防で優位に立ちながらも終始前線との息が合わず、相手の退場による数的優位もうまく使う事が出来なかった。またカレンと兵頭が攻撃にからむ場面も非常に少なくて、中からの攻撃が出来なかったのも相手にしては守りやすい点だっただろう。この辺が守備に重点を置きがちな大熊サッカーの限界なのかもしれないが、絶対に勝ち点3が必要なオーストラリア戦で、それをどこまで進化させて行けるかに期待したい。

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