ワールドユース2005 グループA オランダ-日本(2-1)

開催国のオランダを相手に迎えてのワールドユース初戦、日本はGK西川、DF水本、柳楽、増嶋、中村、MF家長、本田、小林、兵藤、トップ下苔口、FW平山という4-4-1-1という意外な布陣。オランダはバベルやマドゥロなどアヤックスやPSVでも活躍しているA代表クラスの選手をずらりと並べて本気の陣容。フォーメーションは伝統の4-3-3。
試合はホームのオランダが高速パス回しとドリブルで圧倒的にボールを支配し、日本はマークが完全に後手に回り、たとえマークに付いて体を投げ出しても圧倒的な身体能力の差に軽く弾き飛ばされ、ほとんど白旗無抵抗の状態でどんどんサイドを切り崩されてクロスを上げられる始末。
そして6分にこの日対面の中村を完全におもちゃにしていたオブサベイエの余裕のジンガドリブルからバベルがヒールでつなぎ、スペースに入ってきたアフェレイに軽く先制点を決められてしまう。このシーンでも日本はパスの出し手へのチェックもマーキングも甘く、ほとんどパイロンと一緒だった。
その後もオランダの余裕の支配は続き、日本はたま~に攻撃の場面があってもサイドまでボールを持ち込むのが精一杯。そして18分にはオブサベイエが自陣から日本の選手を4人全てぶち抜いてクロス、これをバベルに決められて情けない失点。
しかしここからようやく日本も平山を中心に攻撃の機会を得られるようになり、家永のわずかにポストを外れる惜しいヘディングの場面を作ったりもしたのだが、すぐに再びペースはオランダに渡り、日本は完全にラインを下げられて可能性の低いロングボールでしか抵抗が出来なくなる。日本は前半終了前に苔口からカレンに選手交代するものの、状況は変えられず前半を終了する。
後半になると日本も相手のくさびのボールに対して厳しく行く姿勢を見せるようになるが、いかんせんラインが低いので危険なシーンでのFKになってしまう。が、その気迫が多少はオランダの勢いをそぐ事になって、試合は少し落ち着いた状態に。しかし日本もオランダの高いラインと厳しい1対1のチェックに最終局面でなかなか自分達のボールにする事が出来ない。そして18分に日本は本田に代えて水野を投入し、兵藤を中盤に下げる。
そして22分、日本はその水野のFKにダイアゴナルに飛び込んだ平山が頭で合わせ、ワンチャンスでようやく1点を返す。さらに日本は森本を入れて勝負に出るが、何故か森本は右サイドの位置に。これでまた中村が1枚でサイドに晒されたためにオブサベイエに脅かされ、試合は再びオランダのペースに。が、日本も最後は意地を見せてロスタイムに放り込みのこぼれ球をカレンや森本が拾ってシュートを放つものの決めきれずに試合終了。日本はまずは黒星のスタートとなった。
正直、身体能力もテクニックも判断も全て大人と子供の戦いで、監督の采配うんぬんを問えるような試合ではなかったが、後半に見せたようなみっともなくても相手を潰すという気迫が前半にあれば引き分けに持ち込む事も可能だったはず。まあ経験が少ない日本にそういう試合の入り方が出来たとは思えないが、これを教訓に次の試合に臨んで欲しいところである。