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リーガエスパニョーラ デポルティボ・ラコルーニャ-マジョルカ(0-3)

残留ラインまで勝ち点1まで迫ってきたマジョルカは、デポルのホームとは言え負けられない試合。今日もビクトルと大久保の2トップの4-4-2で挑む。対するデポルは19歳のチスコの下にビクトル、ヴァレロン、ムニティスが前線に並ぶ形の4-2-3-1。
試合は序盤からアウェイのマジョルカが攻勢に出る。大久保はこの日はほとんどトップ下のようにビクトルの周りを活発に動き、味方のボールを多く触ってリズムを作っている。が、すぐにデポルが得意のプレスを発揮し始めた・・・と思った9分に、相手のパスカットからのパスを右サイドで受けた大久保がロメロとの1対1をフェイントで交わし、中へ入りながらのクロスを飛び出してきたファリノスがダイレクトでゴールに突き刺してマジョルカが先制する。
その後はすぐにデポルのペースになり、長短のパスを駆使したパス回しでマジョルカに後手を踏ませ、コンパクトに守りながらもパス回しでどうしても空いてしまうマジョルカの守備のスペースからどんどんとミドルを連発するものの、マジョルカGKモジャがナイスセーブで弾き返す。しかしペルー戦を見た後ではほとんど全てのミドルが枠に飛ぶのはうらやましい・・・
25分を過ぎるとようやくマジョルカもペースを取り戻し始め、DFの前やサイド、はたまた裏でと活発に動いてフリーになる大久保にボールを集めて押し返す動きを見せる。そして36分、右でのスローインからボールを受けた大久保がロメロを大久保スペシャルで抜こうとし、これが失敗してサイドラインを割りそうになったボールを再び拾い、ユニフォームをつかまれたとファールを主張して足を止めたロメロを抜くクロスを上げ、これがビクトルの頭をかすってファーにフリーでいたアランゴに渡り、アランゴは胸トラップから落ち着いて2点目を決める。
ここからは完全にマジョルカのペースとなり、38分にはビクトルが作ったスペースを抜けた大久保が右からのシュート(これはインにかかって外れる)やセットプレイからバーに当てるなど、いくつもの決定的場面を作る。2点目のプレイとこのマジョルカのペースにヒートアップしたデポルは、40分以降にドゥシェルのアフタータックルやカニばさみ、そしてアンドラーデのフライングローキック(笑)などで大久保を削りにかかる。が、何とかこれは怪我につながらず、2点差のままで前半は終了する。
後半からはこの試合がデポルでの最後となるフランが入ってデポルがペースアップ。しかし何とかマジョルカも最後のところで人を固めて弾き返す。その隙にマジョルカもビクトルが抜けてGKと1対1になるチャンスを作るのだがこれはGKに防がれてしまう。15分を過ぎると疲れの見え始めた大久保に代わってビクトルが中盤まで下がってリズムを作り、またマジョルカが盛り返し始める。
そして17分、またも相手のクリアのカットから大久保、アランゴとボールがつながり、最後はアランゴから左サイドを抜け出した大久保にパスが渡り、大久保は中へ切れ込んでGKの股間を抜く落ち着いたシュートを決める。この場面、オフサイドポジションにいたビクトルが冷静に流したためにゴールが認められた。
あとは試合としての妙味は薄れ、30分ごろからはデポルのプレスの勢いも落ちてしまい、34分にはマウロ・シウヴァが入って引退試合ムード。大久保もここでお役御免。あとはマジョルカが難なく・・・とは行かなかったが無失点で守りきって残留圏に上がる勝ち点3を手にした。
マジョルカは終始雑だったデポルの守備に助けられた面はあるものの、コンパクトに7人で守って大久保のスピードある動きにボールを合わせるゲームプランがうまく機能した試合だったと言える。大久保は味方からの信頼も厚く、ビクトルとのコンビも非常によく、1得点2アシストという数字以上に申し分ない働きだった。正直、もっと早くにこういう姿を見せたかったところだが、ここはしっかりと残留を決めて来期は真の中心選手としての働きを見てみたいものである。

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