ドイツ・ブンデスリーガ HSV-ハンザ・ロシュトック(3-0)

前節アウェイでシャルケに勝って勢いに乗るHSVとしては連勝してUEFAにつなげたいところ。相手は降格圏ながらあのリトマネンが加わって盛り返しつつあるハンザ・ロシュトック。高原はムペンザとの2トップで先発、トップ下にはモレイラ、右SHにはマハダビキアが入る形。
試合は残留に必死のロシュトックが高い位置からのプレスを仕掛け、ホームのHSVを圧倒する。HSVはオランダチックに各選手が比較的ワイドに広がり、グラウンダーのパスをつなげてリズムを作るチームなのだが、最近の悪癖である雑なパスがここでも現れ、DFから苦し紛れにつないだパスをカットされてはピンチを量産してしまう。それでも、ラストパスやクロスの精度が低かったりヴェヒターのナイスセーブに防がれたりで、ロシュトックも点を取るまでには至らない。
ロシュトックも、組織的なプレスはいいのだがゴール前でのマークの受け渡しが甘い場面が多く、HSVが攻めた時に簡単にシュートまで持っていかれてしまう場面が目立つ。しかし、HSVも高原やモレイラあたりのシュートが惜しくも枠を捕らえられずに決め手を欠く展開。35分ごろからはHSVがロシュトックのDFラインの裏をめがけた攻撃でリズムをつかみ始めるが得点には至らず、両チーム無得点のままで前半を終了する。
後半開始早々、HSVは相手のパスミスからのカウンターからマハダビキアが右からのクロス、これをムペンザがDFの頭の上からヘッドを叩き込んで絵に描いたような先制点をゲットするラッキーな展開。しかしその後もHSVのパスミスからの逆襲と言う展開は変わらず、ロシュトックはリトマネンの気の効いたパスからシュートをいくつも放つのだが、ヴェヒターがことごとく体で弾き返す。
そんなこんなで一進一退の攻防が続いた15分、右からのFKが相手DFの頭に当たってファーに流れたボールをベンジャミンがGKの股間を抜いて流し込んでHSVが2点目、そのすぐ後にもスルーパスからDFラインの裏に抜け出したムペンザがシュート、そのこぼれ球を高原が結果的に(?)浮き玉でゴールに流し込んで効率よく3点目を決めてほぼ勝負あり。
あとは両チーム共にやや雑な試合運びとなり、リトマネンが引っ込んだロシュトックもあまり効果的な攻撃の変化が付けられず、試合は得点が動かないまま終了、HSVがしっかりと勝ち点3を手に入れた。
HSVはあまりチームの出来としては良くなかったが、ロシュトックの決定力の無さと運に助けられた格好となった。その中で高原は点を取った事はもちろんだが、トラップ後のプレイに最近のような迷いが無く、下位チームが相手だったとは言えボールに触ったときには確実にチームのプラスになるプレイが出来ていた。是非ともこの調子で頑張って欲しい。