J1第7節 清水-千葉(2-1)

勝ち星無しで最下位の清水が、主力が移籍しながらもここまで6位とまずまずの成績を残している市原をホームに迎えた試合。清水は4-2-3-1でチョゼジンの1トップの下に澤登、久保山、山本を並べた布陣で臨み、市原はハースと巻の好調2トップは健在ながらもトップ下の羽生とDFの要ストヤノフを欠いた苦しい陣容。
試合はジェフが相変わらずの、ボールを奪ってスペースへと人がどんどん飛び出すサッカーで開始直後から清水を圧倒する。だが、5分も経たないうちにDFのセンターに入った斎藤が怪我で退いてしまい、ジェフが10人になった頃から清水がサイドへの長いボールを中心に攻めの糸口を見つけ始める。
ジェフはボランチの阿部を最終ラインに下げ、ルーキーの藤田を阿部の位置に投入するが、これでジェフのボールを奪う位置が低くなってしまい、ラインも下がってしまうために奪ってからのスペースへの動きが激減し、ポスト役のハースも厳しくマークされるためにシュートにさえ持ち込むことが出来ない。清水は相手ボールになると4+3人でバイタルエリアをきっちり塞ぎ、ポストのチョゼジンがボールをキープした時にはサイドを中心に攻めあがってセカンドボールを狙ってくる。
結果的に、両チーム共にボールはまずまずつながるものの、奪ってからの攻撃でフリーになる場面が少ないために最後は相手の数が揃ったところへのクロスが増えてしまい、完全に膠着した状態が続いたままで前半は終了する。
後半からは清水が山本に代えて高木を投入、その清水が2分にラッキーな形で先制する。何の変哲も無い澤登のCKを阿部がクリアしようとしたところ、これが目測を誤ったのか絶妙のヒールシュートになってしまった。これで清水に勢いが出たのか、高い位置からのプレスが機能し始め、ジェフのお株を奪うような人数をかけた攻撃を見せる。しかし久保山のシュートがポストに当たるなどしてジェフを突き放すに至らない。
ジェフもただやられっぱなしではなくて、攻撃の場面になった時は果敢に人数をかけた攻めを見せていたのだが、その姿勢が23分にようやく実る。こちらもセットプレイのこぼれ球を拾ったハースがクロス、これをゴール前に5人いたジェフの選手の中から巻がヘッドで流し込んで追いついたのだ。ジェフはその直後にも右への展開から山西がPA内でダイレクトでシュートを撃つものの、ボールはわずかにポストの外へ。
その後は清水の運動量ががたりと落ちてしまい、ジェフが完全に試合を支配する時間帯が続く。それでも何とかネジを巻きなおして清水も反撃に出る。そして34分、右に展開したボールを平松がキープ、そこに攻撃参加した市川からのクロスを久保山が2人に囲まれながらもヘッドで決めて清水が再び勝ち越しを決める。ジェフもこれでやや気持ちが切れたのか、あとはさほど清水に脅威を与えられる攻撃も見せられずに試合は終了、清水は待望の勝ち点3を手にする事が出来た。
ジェフが斎藤の怪我で結果的にほとんどのセンターラインが無くなってしまったという不利があったにせよ、今日は清水が非常に高いモチベーションを見せ、ベテランの澤登を筆頭に最後まで運動量でジェフに負けなかった。4バックのラインディフェンスを中心に1トップの下が攻守にフォローをし続けるという戦術的な狙いどころははっきりしているだけに、今日のような2列目にコンディションのいい選手を並べるという采配を心がければ、結果はついて来るようになるんじゃないかと思う。