ドイツ ブンデスリーガ シャルケ04-HSV(1-2)

リーグ2位、しかもホームで11勝している相手とあってHSVとしてはいかにも苦しい試合。今日はムペンザが復帰して1トップに置き、その下に高原、モレイラ、マハダビキアを並べた4-2-3-1という布陣で臨む。対してシャルケはアサモアとアイウトンの2トップの下にサンドが入った4-4-2。
試合はホームのシャルケが物凄い勢いでプレスをかけ、HSVは全く息が出来ない状態。そしてあっさりと3分にサンドの突破から最後は中を抜け出したアサモアにつながれて先制を許してしまう。しかし、シャルケもベストメンバーから何人か欠けてるせいか組み立てがうまく行かず、HSVがボールを持った時に猛然と追いかけてボールを奪う以外になかなかチャンスを作れない。
HSVは、モレイラのつなぎやムペンザの身体能力で何とかボールをキープ、そして守備陣もあまり下がらずにフォアチェックに集中してシャルケの攻撃をカットして相手に主導権を握らせない。しかし、やっとこさ前線にボールが入ってもシャルケのマークに封じられ、高原もボールを離せずにキープしようとして取られてしまう場面が目立つ。それでも何度かはFKのチャンスを得るのだが、やはりそう簡単には得点させてもらえない。
後半になるとやはりシャルケが猛然とプレスをかけ、HSVが何とかつないでしのぐという展開が続く。だが、前半良い働きを見せていたアルティントップをシャルケが下げてしまった事で中盤でのリンクが機能しなくなり、シャルケの攻撃の勢いも徐々に下がってくる。そして60分、バインリッヒのFKが跳ね返されて再びバインリッヒに戻り、シャルケDF陣がラインを思いっきり上げたところをヴェッキーが抜け出し、周りに誰もいない超どフリーでのヘッドを決めてHSVがワンチャンスで同点に追いついてしまう。
そこからは当然シャルケが反撃に出るのだが、中盤が機能しない上に前に重心がさらにかかってしまい、マハダビキアやモレイラにスペースを与えて何度もカウンターからチャンスを作られてしまう。それでも30分ごろにサンドが鋭いシュートから立て続けにチャンスを作るが、HSVのGKヴェヒターのナイスセーブにことごとく防がれてしまう。シャルケはさらにイライラが募り、次々にイエローカードをもらってしまう始末。
こうなると全ては逆に回転するもので、86分にカウンターからモレイラが中央でヒール、これに走りこんだムペンザがDFと交錯、そのDFがかろうじて触ったボールがシャルケゴールにコロコロと。そしてロスタイムのFKもヴェヒターがスーパーセーブではじき出してHSVが大ブーイングの中、大殊勲の勝利を手にした。
今日の高原はほとんど何も出来ず、2、3度のファールゲット以外は全てボールを取られるだけだった。とにかく、良い時に比べるとプレイのキレはもちろん、ボールを受けた時に次にプレイを選択する決断力とスピードに欠けてしまっているのが気がかりだ。復帰したムペンザが勝利の立役者となっただけに、バルバレスが復帰するまでの残り1試合で結果が出せなければ厳しい状況になるだろう。