J1第4節 広島-鹿島(0-1)

かたや首位と同勝ち点、かたやまだ勝ち星無しと対照的なスタートとなった両チーム、広島はガウポンを下げて19歳のジョルジーニョと大木、茂木の3トップが前線の4-3-3、鹿島はアレックス・ミネイロと野沢の2トップでの4-4-2。
試合は最初からホームの広島がペースを握る。前線からの激しい全員プレスで鹿島のパス回しを寸断、そこからジョルジーニョや茂木がスペースへ飛び出し、何度となくクロスやシュートを浴びせるのだが、どうにも最後の精度が無くて得点が出来ない。鹿島はフェルナンドを中心にパスを回そうとするものの、広島の守備の前にただ足元めがけて横に回すばかりで、攻撃陣の存在感が全く無い。
20分を過ぎると広島のプレスが緩み始め、鹿島がようやく中盤でパスを回せるようになるものの、やはりFWまでボールが行かずにたまのミドルシュートを撃つのみ。しかし広島も前線の飛び出しと中盤からのパスのタイミングが合わずにリズムを失って行く。35分からは前に蹴るだけになった広島のセカンドボールを拾い始めた鹿島がようやくペースを握り、新井場などが広島に空いたスペースに進入し、短いパスを回して広島ゴールに迫るものの、こちらもシュートが決まらず前半は終了する。
後半も最初から広島が飛ばす。が、鹿島も守備を修正して前線をつかまえるようにしたためにフリーになれず、攻撃のアイデアも単調なためになかなか決定的なチャンスが作れない。それでも8分ごろに中盤の押し上げからセカンドボールを奪って波状攻撃を見せるのだが、ベットのミドルもクロスバーに当たってやっぱり得点が決まらない。
そして広島のペースが落ちてきた24分、鹿島は中盤でボールを奪うと左の本山につなげ、スペースに飛び出した野沢にスルーパスを出すとこれを野沢がワントラップからのシュートを決めて鹿島が抜け目無く先制する。このすぐ前にロングボールを茂木がトラップミスをして広島はチャンスを潰しただけに、余計に試合を象徴するシーンだった。
そこからは広島も佐藤や高柳を投入して攻勢を仕掛けようとするのだが、がたりと運動量が落ちてしまったチームを活性化させるに至らず、マークが緩くなったところをどんどん鹿島にパスを回されピンチを作るのみ。広島はロスタイムにかろうじてゴール前でのFKを得るのだが、前田のFKは鹿島の壁に当たってこれで万事休す。
まあ広島の試合運びのつたなさや決定力不足ばかりが目立つ試合になってしまったが、鹿島も相手のプレスの前にあまりにも簡単にボールを失いすぎ、FWも得点シーン以外は存在感が無しとまるでどこかの代表チームのような内容の悪さを見せてしまった。これで首位になりはしたが、ボランチの守備の力強さや前線のコンビネーションが出てこないと優勝は見えてこないだろう。逆に広島はチームの形はしっかりと出来ているだけに、鹿島の本山のような前線でアイデアや変化を作れる選手がいればもっと結果が付いてくるようになるだろう。