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J1第3節 G大阪-川崎(3-2)

J1に上がってからも自慢の攻撃力が炸裂している川崎と、同じく攻撃力には定評のあるガンバという興味深い対決。天気が少し危ぶまれたが晴天に恵まれ、万博は大黒人気もあってかなかなかの客入り。ガンバは宮本がベンチ外に二川サブで大黒、フェルナンジーニョ、アラウージョの前線に青木、松下、家長、日野といった若いメンバーが加わった3-5-2、川崎はおなじみ我那覇の1トップにジュニーニョとマルクスが支える3-4-3。
試合は互いに中盤での激しいプレスから始まる。しかし、すぐにテクニシャンが揃っているガンバがポゼッションを握り、ジュニーニョに縦にボールをあずけるしか攻め手が無い川崎を圧倒し始める。そして6分に、ジュニーニョに入ったくさびのボールに対してガンバが2人でボールを奪い、フェルナンジーニョが中をドリブルで突破、そこからアラウージョ、大黒とワンタッチでパスが回って最後は大黒がダイレクトで鮮やかに先制点を決める。
そこからも試合のペースは変わらず、ガンバの安定したキープとパス回しの前に川崎ディフェンスは下がらざるを得なくなり、ジュニーニョ-中村のホットラインがガンバに狙われやすくなってしまって攻撃がつながらず、たまにボールがジュニーニョに渡っても素早いマークでなかなか突破が出来ず、守備でも中盤のマークが緩くてガンバに簡単にパスとドリブルを許すといった、川崎にとってまずい展開が続く。
しかし、ガンバも少し攻め疲れが出たのか攻撃が中に偏りがちになってしまい、川崎の中盤マークが改善された事もあって試合は膠着状態に。40分ぐらいからはようやく川崎もガンバの雑なつなぎのセカンドボールを拾って押し込み始めるものの、決定的なチャンスを作るまでに至らず前半は終了する。
後半になると川崎が反撃、両サイドが高い位置に攻めあがって分厚い攻撃を仕掛けてくる。守備でもガンバの選手に激しいプレスをかけてガンバに余裕のあるパス回しを許さない。そして何本かの惜しいシュートの後、11分に低いCKをアウグストがスルー、そこに飛び込んだジュニーニョが決めて川崎がしっかりと追いつく。ここで川崎は相馬、ガンバは二川と山口を投入。
そこからは川崎も前に出てきた分だけガンバにもスペースが生まれ、互いにシュートまで持ち込む展開に。そして23分、右でボールを受けた家永の切れ込みからパスを受けた大黒が、ゴール右隅に狙いすましたミドルシュートを決めてガンバが再びリードする。これで川崎はやや気落ちしたのか、それまでの勢いが無くなってしまい、再びガンバがドリブルとパス回しでポゼッションを握る。
川崎は35分に飯尾を入れ、FWを4人にして最後の攻めに。しかし何故か川崎がパワープレイではなくてパスをつないで来るためにガンバも対処しやすく、ロスタイムのアウグストの決定的なシュートを日野が弾いた時にはここまま試合は終わるかと思ったのだが、FKからのガンバゴール前の混戦でガンバの選手が全員ハンドをアピールして足を止めてしまい、アウグストが蹴り込んで川崎がぎりぎりで同点に。
だがドラマはこれで終わらなかった。ロスタイムも3分になり、家長の突破が止められてゲットしたFKを、山口が飛び込んでヘッドを決めてガンバが勝ち越し、それと同時に試合終了のホイッスルが吹かれるという劇的な結末になってしまった。
ガンバは客が入った試合で珍しく勝負強さを見せたわけだが、2点を決めた大黒はもちろん遠藤の自在の動きが素晴らしく、代表戦での悔しさを晴らす働きだったと言える。ただ、代表監督様は鹿島の試合を見ていたわけだが(笑)。そして集中力に欠けたところはあったものの若手がなかなかの働きを見せ、宮本不在の穴を感じさせなかった。川崎は時間帯によっては素晴らしいサッカーを見せるのだが、どうにもそれが長続きせず、試合中にチームの波がありすぎるのが失点の原因になってしまっているようだ。メンタルに問題があるのか、それともスタミナのせいか、チームのポテンシャルはあるだけに修正が望まれるところだ。
あと、この試合は家本スペシャルレフェリーが裁いていたが、アラウージョが完全に後ろから引っ張られたシーンを始め、終始手を使ってのファールに甘すぎる判定ばかりだった。これは国際的な流れとは逆行してしまっているのだという事を書いておきたい。

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