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J1第3節 大宮-C大阪(1-0)

J2から上がって4位と好発進の大宮と、開幕2連敗で最下位スタートとなったセレッソという好対照チーム同士の対戦。大宮はクリスティアンとトゥットを2トップとする4-4-2で、セレッソは黒部、森島、古橋の3トップによる3-4-3という布陣。
試合は両チーム共にコンパクトな守備から縦に早い展開を見せ、活発な様子で始まる。10分を過ぎると試合はやや落ち着き、セレッソがボールをキープしてサイドを使う形が多くなるが、大宮の守備の戻りが非常に早く、1トップの黒部がトニーニョに完全に押さえ込まれ、3トップのコンビネーションが全く発揮されないために、クロスを上げてもなかなかシュートにつなげられない。
その場の思いつきで攻撃しているセレッソに比べて、大宮はチームとしての攻め方が非常に整理されていて、きちんとした2ラインディフェンスで挟み込むような形でボールを奪って中盤でフリーな選手にパスを回し、サイドからアーリークロスをFWに当てる形を繰り返すのだが、セレッソのDFも2トップへのマークを外さず、中盤も辛抱強く戻って踏みこたえる。
30分を過ぎると、サイドに2枚を置いて厳しい守備を見せる大宮の前にセレッソのサイドが沈黙してしまい、逆に大宮がじれて上がったセレッソのサイドを破ってクロスを上げる場面を量産するものの、最後の場面でミスが出て得点につながらない。前半終了間際にはセレッソの江添が負傷で退いて前田が交代出場する。
後半開始早々に試合は動く。右からの長いボールをクリスティアンがキープし、そこからボールを受けた藤本がサイドに流れながらクロス、これを裏に抜けたクリスティアンがヘッドで決めて大宮が先制する。そこからは当然セレッソが広山と西澤を入れて攻めに出、少し動きが落ちてきた大宮に対して早めに前線に当てて押し上げようとするものの、8人できっちりと守る大宮の守備を崩せない。
そのうち、セレッソのフォローの動きも落ちてしまってトップに当てたボールをほとんど拾えなくなり、大宮がカウンターで攻める場面が増える始末。それでもセレッソは39分にPA内で黒部が折り返したボールをブルーノが狙うがGKに防がれ、こぼれ球も古橋が決められない。終了間際の黒部のシュートもGK正面で万事休す。大宮がチームの内容に相応しい勝ち点3を手に入れた。
セレッソは、前線で起点を作るべき黒部が完封され、西澤が入ってからはボールが収まるようになって黒部が生き返っただけに、機能しない3トップを続けている選択に疑問が残る。中盤でもまだブラジル人選手がJの早い展開にフィット出来ず、守備が良くなって来たとは言えまだまだ浮上のきっかけはつかめそうにない。大宮は、とにかく藤本を筆頭に忠実で献身的な動きが見事で、監督について行けば大丈夫なんだという自信がみなぎっている。選手層の薄さが長丁場でどうかと言う疑問はあるが、まだまだJ1に旋風を巻き起こしそうである。

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