イタリア セリエA第28節 レッジーナ-メッシーナ(0-2)

勝ち点がわずかに3差の9位と13位、そして海峡ダービーという熱い対戦。レッジーナはモザルトがイエローの累積で欠場、ボランチがパレデスとテデスコというコンビで、ボナッツォーリの1トップに中村とコルッチというメンバーでの試合。イリエフとダゴスティーノというタレントを抱えるメッシーナは4-2-3-1で柳沢はベンチスタート。
試合はホームのレッジーナが非常に高い位置に守備ラインを引き、両サイドが高い位置をキープしてメッシーナを攻め立てる展開で始まる。当然、引きこもるメッシーナに対してセットプレイのチャンスをいくつも作るものの、いまいちゴール前での迫力に欠けてレッジーナは得点出来ない。そして、13分にメッシーナがFKからマークをしていたカンナルサを押しのけたクリスタンテのどんぴしゃのヘッドで先制点を挙げてしまう。
その後は、攻めるレッジーナに引いたメッシーナと言う図式は一層はっきりし、レッジーナはさらにセットプレイの機会が多くなるものの、肝心の中村のキック精度もあまりぱっとしない上に、普段は中盤でボールを落ち着かせて展開するモザルトがおらず、やたらと縦に急ぐ攻撃ばかりで攻めてる割に実効性が伴わない。
25分を過ぎると逆にメッシーナがカウンターを仕掛ける場面が増え始め、攻めてるレッジーナに守備の穴が開いて危ない場面が多くなってしまう。そして案の定、41分にゴール前で跳ね返した浮き球をダゴスティーノがダイレクトボレーでレッジーナゴールに叩き込んでメッシーナが効率よく2点目を決めてしまう。
後半に入るところで、熱くなったレッジーナサポーターによる発煙筒の投げ込みによって試合が中断し、何と前半と同じサイドでの後半スタートと言う異例な展開に。レッジーナはカンナルサを下げて中村がボランチの位置に下がった4-3-1-2という名の2-3-3-2という布陣になる。メッシーナはFWを下げてさらに専守防衛の展開に。
当然、ひたすらレッジーナが攻めまくる展開にはなるのだが、雨あられのように降らせるクロスがことごとく味方に合わずに得点にならず、セットプレイのヘッドも枠を捉えられず。38分にようやく柳沢が登場してザンパーニャに代わって1トップの位置に入るものの、同時に中村が下がってしまったために真のダービーにはならず。あとはメッシーナが落ち着いて守りきってそのまま試合は終了。
レッジーナは運にも何もかもに見放されて、負けるときはこんなものという典型的な試合になってしまった。次はユベントスが相手なだけに、ややもすると降格争いの中に引きずり込まれる危険性が生まれてきたと言えそうだ。
中村はこの日はセットプレイの精度が悪く、レッジーナがパスサッカーにならなかったせいもあって狭い範囲でのプレイを強いられ、さほど効果的な働きが出来なかった。さらに、途中からは足を痛めたせいもあるのか他の選手にFKを交代していた。後半のボランチの位置でも足を痛そうにしていて、2週間後に迫ったイラン戦が心配である。柳沢は残念ながらほとんどプレイにからむ場面が無くて評価できず。