ドイツ ブンデスリーガ第24節 HSV-レバークーゼン(1-0)

7位のHSVと5位のレバークーゼン、しかも勝ち点2差という直接順位にかかわる重要な一戦。HSVは、最近ミスが多い正GKピーケンハーゲンに代えてヴェヒターを出場させ、後は高原とラウトの2トップにトップ下がバルバレスの4-4-2、レバークーゼンはボロニンとベルバトフの2トップによる3-5-2という布陣。
試合はホームのHSVが果敢に前からプレスをかけてペースを握る。しかしレバークーゼンも押されながらも中盤のチェックは欠かさず、しかもピッチ状態が悪くてボールがポンポン跳ねてしまうためにパスサッカーにならず、互いに肉弾戦での潰しあいといった様相を見せる。そんな中でも、高原は最近見せている早い動き出しで相手のマークを外してのポストプレイなどで懸命の働き。逆にラウトはほとんど試合に登場しない。
こういう時に試合を動かすのはやはりセットプレイ。21分にHSVのもう一つの武器である、バインリッヒのCKからファンビュイテンの高いヘッドというコンビネーションが炸裂し、HSVが手堅く先制する。その後も試合のペースは変わらず互いに潰しあう時間が続いたが、30分を過ぎるとややボールホルダーへのチェックが甘くなり、高いラインの裏へと長いボールを送る攻撃が増えてくる。
HSVは、41分に右サイドでボールをつながれてフリーでシュートを撃たれるものの、GKヴェヒターが体を張ったセーブで防ぎ、44分には高原が左から中に切れ込ん左に外れたシュートを撃つなど、互いに散発的なチャンスを作るものの得点にはつながらずに前半は終了する。
後半になると、HSVが押し気味の展開は変わらないものの、レバークーゼンのカウンターにかける人数が明らかに増え、HSVのセットプレイからの逆襲で惜しい場面を作るようになるが、相手の不正確なクロスに助けられて何とか失点は免れる。逆に、15分ごろからマハダビキアやククコビッチを投入したHSVが前に出た相手のスペースを使って良い攻撃場面になるのだが、もう一つラストパスやコンビネーションが合わずにこちらもなかなか得点出来ない。そして高原は35分にモレイラと交代。
あとは、レバークーゼンが最後の攻撃に出たところをHSVは何とか人数をかけて守りきり、非常に貴重で価値のある勝ち点3を手にした。が、試合の内容としては相変わらずドリブルを使われたカウンターに弱いところを見せ、攻撃でもラウトがほとんど役に立たずに高原やバルバレスとのコンビネーションも皆無と、ほころびもたくさん見せてしまったところに欧州戦のゲットという目標に対して不安を残す内容だったのも確かである。
今日の高原は、大久保とは全く逆に完全にチームの歯車の一環として機能し、得点以外は攻守での奮闘が非常に目立っていた。ただ、ラウトがほとんど守備をせずに前線に張っていた尻拭いもあったとは言え、最前線にいるFWとしては得点に近づくチャンスにつながる場面が少なく、もう少しエゴを見せてシュートを撃つ事に集中してもいいんじゃないかとは思った。まあ動き自体はキレを保っているので、今後の試合に期待である。