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イタリア セリエA第26節 レッジーナ-キエーボ(1-0)

風邪と怪我からようやく復帰した中村は、ボナッツォーリの下にテデスコと並ぶ形での3-4-3の右ウイングとしてプレイ。キエーボはブリーギとバローニオという主力を欠く布陣での4-4-2。
試合はいきなり中村のFKをどフリーだったフランチェスキーニがヘディングを外した後、当然のように中盤の潰しあいで始まる。ただ、キエーボが高い位置をキープするラインディフェンスなのに対し、レッジーナはマンマークベースの守備なので、ボールはややレッジーナ陣内で行き来する展開で推移する。さらに、レッジーナはGKパヴァリーニとDFの連携が悪く、GKが飛び出したところをフリーで撃たれ、デローザが捨て身の守備でクリアするなど危なっかしい場面が連続する。
20分を過ぎると少し中盤が落ち着きだし、キエーボの4-4のラインの間に出来たスペースを中村がうまく使うなどホームのレッジーナが押し返し始めるも、キエーボのコッサートが負傷退場するなど1対1での争いの激しさに審判のファールを取る基準が曖昧になり、ゲームの流れが滞りがちになる。
それでも35分過ぎからはレッジーナのペースとなり、キエーボ陣内でのセットプレイが増える。そして中村のキックから惜しいチャンスがいくつかあった後の40分、中村からの縦パスを受けたテデスコが倒されゴール前やや右からのFKをレッジーナがゲット、これを中村がゴール右にパーフェクトな直接FKを決めてレッジーナが先制する。その後は完全にレッジーナペースになるも、ラストパスがミスになる場面が多くてもう一つ決定的なチャンスにならずに前半は終了する。
後半になるとレッジーナはすっかり引いてしまい、レッジーナPA内外での争いが多くなる。15分を過ぎると試合はイーブンになるのだが、パスゲームと言うよりはアバウトなボールを巡っての肉弾戦といった様相になり、両チーム共にほとんどシュートの場面まで持ち込めない。そんな中でもオフサイドトラップを抜け出したボナッツォーリがエリア外に出たマルケジャーニを越すシュートを放つのだがこれも決められない。
それ以降も試合のペースは変わらず、ひたすら自陣から早くボールを引き離そうと言う攻め急ぎの攻撃に終始し、40分を過ぎるとレッジーナは時間稼ぎを画策し始め、後はそれほど両チームに見せ場無く試合は終了。
レッジーナは5試合ぶりにようやく勝ち点3を手にしたものの、チームの攻めとしてはあまりメストなどのサイドが生かせず、ボナッツォーリや中村をフォローする役目のテデスコに精彩が無く、今日も中村のセットプレイ以外に得点の匂いを感じる場面が無かったのが気がかりだ。
そんな中で中村は休養十分のせいか、全体的に動きが落ちているレッジーナの中で好調さを見せ、あまりサイドや後ろに逃げずにバイタルエリア内で精度の高いプレイを見せていたのは良かったと思う。レッジーナ全体でのコンディションが落ちているだけに、より一層ゴールに直結する仕事が求められるのは間違い無く、ここでどれだけチームを引っ張れるかが、さらなるビッグクラブへの移籍推進はもちろん、代表のレベルを引き上げる原動力になる事は確かだろう。

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