リーガエスパニョーラ第23節 マジョルカ-アルバセテ(2-1)

マジョルカにとっては残留争いに残る上での大事な3連戦のラスト、16位のアルバセテとの対戦。ここで勝ち点3を取らなければ元の木阿弥になってしまうだけにどうしても落とせない試合。マジョルカは大久保とルイス・ガルシアの2トップに、トゥニ、アランゴ、カンパーノ、デ・ロス・サントスがダイアモンドで中盤を形勢する最近の4-4-2の形。
試合は序盤から、残留争いらしく中盤での激しい攻防を見せる。マジョルカは、かなり高い位置にまでラインを上げ、中盤でのプレスを避けるようにしてロングボールを送り、セカンドボールを拾って攻撃につなげて来る。しかし、アルバセテも集中を切らさずきっちりと中をふさぎ、パチェコを中心とした流れるようなカウンターを繰り出して危険な抵抗を見せる。
15分を過ぎるとマジョルカも少しボールを持てる余裕が生まれ、高い位置を取る両SHを経由したパス回しからゴールまであと一歩のチャンスが出来始める。大久保も、このあたりから単なる裏への飛び出しではなくサイドに流れて起点を作る形が多くなる。
しかし先制したのはアルバセテ。28分に大久保がポストプレイのボールを取られ、カウンターから右サイドのスペースに出たレドンドからのクロスが反対側に流れたところに走りこんできたマルク・ゴンザレスがボレーをマジョルカゴールに突き刺してしまう。
イタリアなら、これで先制したほうが守りに入ってしまうのだが、アルバセテはゴールを決めたせいかプレイに落ち着きが生まれてパスを回せるようになり、マジョルカも急激なペースアップをする事無くイーブンに試合は進む。ようやく前半終了間際にマジョルカがアルバセテを押し込むのだが、ゴールは決められずに前半は終了。
後半になるとマジョルカが攻勢に出る。そして7分に、アルバセテDFのクリアボールをヘッドでつないだボールにトゥニが飛び込んでボレーを決めてマジョルカが同点に追いつく。その後も試合はマジョルカが支配し、セットプレイのチャンスも多く作るのだが、ルイス・ガルシアが当てるだけのクロスを外したり、バジェステロスのどフリーヘッドが決まらないなどマジョルカはなかなか得点に結び付けられない。そして22分に大久保に代えてコレアが入る。
そして25分、カウンターの場面から左サイドをドリブルで上がったトゥニがPAの中で交錯して倒れたところ、これをPKに取ってもらうという幸運がマジョルカに舞い込み、ルイス・ガルシアがGKの脇の下を抜くPKを決めてマジョルカがとうとう勝ち越す。あとは、アルバセテのロングボール攻撃にも何とか耐え切って、残留ラインまで勝ち点2の18位にまで浮上する勝利を手にする事が出来た。
今日の大久保はマラガ戦に引き続き、ルイス・ガルシアよりも前に位置して1トップで主に前線でかき回して中盤を助ける役回りに終始した。チーム事情からポジションが大久保の適性であるトップ下にならず、セレッソや代表でもあまりパッとした活躍が出来ていない最前線のFWで働かざるを得ないのは厳しいところだが、それでも下手に倒れずに頑張って、もっと確実にボールをキープする役目を果たさなければ、マジョルカと言えどレギュラーを守り続けるのは難しいだろう。
ただ、それでもマラガ戦に比べるとチームメイトも大久保の特徴を理解したパスを出してくれるようになって来ているのは確かなので、次はアウェイでのバルサが相手と正直厳しいが、チームが結果を出している間に次の得点を是非とも決めてもらいたいものである。