イタリア セリエA第24節 フィオレンティーナ-パルマ(2-1)

中田はもちろん、ドナデルにとっても古巣対決で、残留を目指す上で両チーム共に負けられない対決。ヴィオラは3-5-2のミッコリとリガノの2トップの下に、オボド、ドナデル、中田が並ぶ形。パルマはジラルディーノの1トップの下にブレシアーノ、モルフェオ、マルキオンニが並ぶ4-2-3-1。
試合は開始からヴィオラが積極的に攻勢をかけ、中田のワンタッチのパスを中心にしてリガノやミッコリが再三シュートを浴びせるものの得点にはつながらず、15分を過ぎるとヴィオラのDFラインがすっかり低くなってしまってパルマがボールをキープする展開に。中田もサイドのアリアッティのポジションが非常に低いために広いスペースを埋めざるを得なくなって攻撃で見せ場があまり作れない。
しかしパルマもヴィオラのグダグダに付き合ったペースになってしまい、ジラルディーノがボールを受けた時にしか得点の予感を感じさせる場面が無い。前半は、そんな感じでイタリア的なプレスの掛け合いと言うよりは互いに引いた守備の中でのパスミスの奪い合いと言う感じで前半は終了する。
後半になると試合は唐突に動く。わずか2分に、右サイドのクロスが流れたボールをキエッリーニがダイレクトで豪快なボレーを突き刺してヴィオラが先制する。これでヴィオラはさらに守りに重心が偏るのだが、最終ラインが上げるでもなくきっちりマークにつくでもなく中途半端で、何度もジラルディーノに裏を取られたりターンからシュートを撃たれるなどするのだが、ルパテッリのスーパーセーブやシュートミスに助けられて失点にならず。
それでも25分を過ぎると全体的な運動量でヴィオラがパルマを上回るようになり、ミッコリの個人技から起点を作って何度かカウンターからチャンスを作るのだが、リガノと交代で入ったパッツィーニが2度の絶好機を外すなどもう一つタイミングが合わなかったり運が無かったりして得点出来ない。そしてようやく35分に、カウンターからパッツィーニのパスに反応して裏に抜けたミッコリがテクニックでGKを交わしてゴールを決める。
が、39分にやっぱりヴィオラDFが単純なクロスに対してジラルディーノをフリーにしてしまってやっぱり安心できない展開に。しかしヴィオラも何とかあたふたしながらも4分間のロスタイムを守りきって久しぶりの勝ち点3を手にする事が出来た。
今日の中田はトラップこそ不安定だったものの、運動量豊富に右サイドのスペースを駆けずり回り、再三トップ下の位置にまで攻めあがる積極性を見せていた。ただ、ボールを持った時の判断の良さとパス精度の割に、トップ下に入った動きが無駄に終わる事が多かった事を考えても、もっとゲームメイクに特化したほうがヴィオラのためにはいいような気がするのだが。