リーガエスパニョーラ第21節 マジョルカ-ヘタフェ(3-1)

残留争い直接対決3連戦の第一弾、14位ヘタフェとのホームでの対戦。マジョルカは大久保が先発に復帰してルイス・ガルシアとコンビを組み、アランゴがトップ下に入ったダイアモンド型の4-4-2という布陣。ヘタフェも同じような布陣でマッチアップ。
試合は残留争いらしく、まるでイタリアのような激しい中盤での潰し合いから長いボールという展開が続く。大久保もただ裏に抜けようとするだけでなかなかボールを受ける事が出来ない。が、8分に左CKの場面でマジョルカの選手が押しつぶされるように倒され、このPKをルイス・ガルシアが落ち着いて決めてマジョルカがラッキーな先制点を挙げる。
そこからは調子の出たマジョルカがボールをキープするのだが、ヘタフェのカバーリングとパス回しもなかなかうまく、マジョルカはサイドまでボールを回すのだがそこからFWまでボールがつながらない。逆に、ヘタフェのカウンターが徐々に切れ味を増してくる。
そして25分、右サイドからの単純なアーリークロスに対してなぜかマジョルカのDFがボールウオッチャーになってしまい、間に入ったジョルディに、まるで大久保がルイス・ガルシアに初アシストした時のようなヘディングを決められてしまう。その後はヘタフェも盛り返し、試合は完全に膠着状態に。
ところが36分、右サイドでの密集からこぼれたボールが完全にフリーになっていた大久保に渡り、裏にオフサイド気味というか完全にオフサイド状態で抜け出したルイス・ガルシアにスルーパス、GKと1対1になったところで横に出て来たアランゴにパス、アランゴがこれを難なく決めて2点目をゲット。そこからは互いにやや中盤のプレスの力が衰えてパスが回るようになるのだが、これも互いに4バックのラインコントロールで攻撃を押さえて前半を終了する。
後半になると両チームとも攻撃的になり、攻めのスピードが縦に速くなる。そして6分に、カウンターの場面で右サイドでボールを受けたトゥニが中に切れ込み、大久保はオフサイドポジションにいたのだが遅れて入ったルイス・ガルシアの抜け出しにパスが通り、そのままGKを交わして3点目を決める。これでほぼ試合は決まり。あとは両チーム共に疲れが出たのかグダグダな試合に終始。大久保もスペースがあるにもかからわずオフサイドに引っかかりまくる。
30分ごろからはマジョルカも完全に守りに入り、ヘタフェが形ではマジョルカを押し込むものの、危なげなく・・・とは行かなかったが何とか守りきってまずはノルマの勝ち点3をゲットした。
今日の大久保は、まさにセレッソや代表の試合で勝ちたいという気持ちが強すぎるときに見られる、動きが直線的&単調で空回りする「悪い大久保」の見本だった。ペアを組んだルイス・ガルシアも、大久保と同じように幅広く動いてリズムを作る選手なだけに、2点目のように縦の関係を作れればいいのだが、意思疎通が足りないせいか動きが重なってしまう場面が多く、ヘタフェのラインコントロールを崩す工夫が作れなかった。後半途中からルイス・ガルシアが中盤に下がった後のほうが良かったぐらいだった。まあ、個人の結果が最重要なのはもちろんだが、その次にチームの結果が重要なのも確かで、このまま「ウイニングチーム・ネバーチェンジ」の波に乗って馴染んでいって欲しいものである。