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天皇杯5回戦 横浜FM-草津(1-2)

CSを制したチャンピオンの横浜は、CSのメンバーから8人を代えて安永、山崎を2トップとした4-4-2で挑み、草津は宮川を1トップとした3-6-1というリーグ戦とは違うフォーメーションで対応する。
試合は予想とは裏腹に、横浜が急造メンバーとフォーメーションのせいかボールをうまくつなぐ事が出来ず、逆に草津が素早い集散からボールを奪って前線の宮川に速くつなげる狙いの前に、横浜は守りが後手後手に回る展開が続く。
しかし草津もJFLの悲しさ、チャンスは作りながらも決定力に欠ける攻めが続き、このまま点が入らないと最後は横浜に寄り切られるだろうなと思い出した28分、横浜陣内でのボールを高い位置からのプレスでカット、それを受けた宮川が反転してGKのニアを抜くシュートを決めて草津が狙い通りの先制点を挙げる。
その後は田中隼をセンターに据えた3バックの布陣に変更した横浜がペースを握り返し、全体的に引き気味になった草津を横浜が外から攻め出すのだが、草津も慌てずにそれまでの戦い方を貫いて中央を固め、横浜の攻めをうまくしのぎ切って前半を終了する。
後半になると横浜はFWがサイドに流れて起点を作る形でボールキープ率を高め、草津は全く前にボールをつなぐ事が出来なくなるが、草津も全員が全く労を惜しまない守備で中央をフリーにさせず、横浜の攻撃をしのぎ続ける。そして16分に草津は佐藤と吉本を投入し、攻撃と言うよりは前線からのチェイスを強化するような交代策を見せる。
しかしそれでも試合のペースは変わらず、草津がひたすら耐えているうちに、30分に草津の山口が2枚目のイエローカードで退場してしまう。それでも何とか守っていた草津だが、38分に左サイドを破られての折り返しから奥にミドルシュートを決められてしまう。さらには籾谷までもが退場となり、草津はいよいよ絶体絶命に。
だがサッカーの神様はセオリーなど問題にしないあまのじゃくだった。延長前半10分に、いかにも可能性の低い右からのぽよよんクロスを上げた鳥居塚のボールがたまたま依田の前に転がり、とにかくも蹴り込んだシュートが延長Vゴールとなって草津が奇跡の勝利を手にする事になった。
まあ、横浜もほとんどがサブのメンバーでモチベーションたっぷりの草津相手にどうにかしろというのはシンガポールに対するジーコジャパン以上に酷な話ではあったのだが、それ以上に草津の頑張り、献身、勝負に対する執念が上回った試合だったのは間違い無い。この気持ちと勢いを、是非ともJ2でも発揮しつづけて欲しいものである。

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