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ドイツ ブンデスリーガ第14節 HSV-ヴォルフスブルグ(3-1)

前節まで首位の好調ヴォルフスブルグをHSVホームに迎えた一戦。高原はバルバレスと4-3-1-2の2トップの位置で先発。
試合はなんと開始わずか20秒でヴォルフスブルグのブルダリッチに先制点を決められる展開で始まってしまう。しかしHSVもそれほど慌てず、ラインを高めにしたコンパクトな布陣とシンプルなパス回しで、前線が積極的にチェイスするヴォルフスブルグの守備をかいくぐってポゼッションをキープし、バルバレスが引いて出来たスペースに後ろの選手がどんどん入り込んでヴォルフスブルグ陣内に攻め込んで来る。
ヴォルフスブルグはアウェイで先制点を奪ったせいか全体的に引き気味になり、前線が追っている間に守備陣形を整えてボールを奪ってからのカウンターに備えるという、最近の守備的戦術のトレンドとも言えるサッカーを展開する。そして序盤は攻守が何度も入れ替わる激しい展開が続く。
しかし、10分ごろからはヴォルフスブルグも徐々に押され始め、HSVの前から来る激しいプレッシングの前にほとんどチャンスを作る事が出来なくなってしまう。それでも20分を過ぎるとヴォルフスブルグも再三フリーになっていたトップ下のモレイラに対する守備を修正し、HSVが終始押しながらも試合は膠着する。
そして39分、それまでほとんどボールにからめなかった高原がPA前でボールを受けたところを引っ張られてFK、これをファンビュイテンが壁を抜く低いボールでGKの不意を突き同点に。そしてヴォルフスブルグが慌てて攻撃に出た44分に、カウンターから高原がドリブルで持ち込んで左サイドに流れたバルバレスにパス、これを難しい角度からバルバレスが見事に決めてHSVがリードを奪う。その後、高原がGKと1対1になった場面があったのだが、GKを交わすのに慌てた高原がキックミスをしてしまってガックリ。
後半からは当然ヴォルフスブルグも攻勢を強めるのだが、HSVの組織ディフェンスはほとんど揺らがず、逆にSBが上がったスペースを高原などが流れて起点を作られ、何度も危ない場面を迎えてしまう。15分ごろからはヴォルフスブルグの組織もバラバラになって中盤が空き、HSVが簡単にチャンスを作るのだが惜しいところでなかなか得点が出来ない。
25分にはヴォルフスブルグのキローガがとどめのレッドカードで退場し、ヴォルフスブルグはほぼこれで終戦。後は攻撃的選手を投入してヤケクソ気味に攻めるのだが最後に途中出場のロメオに決められて試合終了。結果、内容ともにHSVの完勝だった。
高原は30分ぐらいまではHSVのコンビネーションに全く入っていけずにボールにほとんど触れなかったのだが、それ以降はよく攻守にからんでチームに貢献したと言える。それだけに、アシストを記録したとは言え前半ロスタイムの1対1の失敗が、点を決めたバルバレスとロメオとのFWとしての差を際立たせる事になってしまったのが残念だった。チームが結果を出している以上、これからも使われる機会は多くなるだろうが、早く代表での鈴木のように、守備的FWというレッテルを返上して欲しいものである。

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